《事案の概要》
有責配偶者(不貞)である夫が、妻に対し離婚請求をした事案。
(別居期間約2年4か月、7歳の未成熟子あり)
《裁判所の判断》
- 地裁の判断 夫の離婚請求を棄却
(婚姻関係の破綻を認めず、また、夫からの請求を有責配偶者からの離婚請求であるとして請求棄却)
- 高裁の判断 夫の離婚請求を認容
- 最高裁判所の判断 原判決を破棄、夫の控訴を棄却
《最高裁の判旨》
- 上告人と被上告人との婚姻については民法770条1項5号所定の事由があり、被上告は有責配偶者であること、
- 上告人と被上告人との別居期間は、原審の口頭弁論終結時(平成15年10月1日)に至るまで約2年4か月であり、双方の年齢や同居期間(約6年7か月)との対比において相当の長期間に及んでいるとはいえないこと、
- 上告人と被上告人との間には、その監護、教育及び福祉の面での配慮を要する7歳(原審の口頭弁論終結時)の長男(未成熟の子)が存在すること、
- 上告人は、子宮内膜症にり患しているため就職して収入を得ることが困難であり、離婚により精神的・経済的に苛酷な状況に置かれることが想定されること等が明らかである。
以上の諸点を総合的に考慮すると、被上告人の本件離婚請求は、信義誠実の原則に反するものといわざるを得ず、これを棄却すべきものである。