| 1) |
上告人が被上告人の社員であるとすると、被上告人の社員は、当初、Aと上告人の2名であったものが、本件入社承認決議が存在する場合には、平成7年5月以降新たに5名が入社したことになり、これに応じて上告人の議決権の割合が低下することになる。上告人はこれらの社員の入社を否定しているから、現時点における社員の確定等について決議から派生した法律上の紛争が存在しており、本件入社承認決議の存否を確定することが、上告人の社員としての法律上の地位ないし利益が害される危険を除去するために必要、適切であるというべきである。 |
| 2) |
被上告人の理事は、理事会の構成員であり、被上告人の常務を処理する権限を有し、理事長は理事のうちから選出されることに照らすと、理事の選任は被上告人の運営に係る基本的な事項であり、被上告人の社員は、理事が適正に選任されることについて法律上の利益を有するというべきである。そして、被上告人は平成7年5月以降本件理事選任決議に基づき理事が選任されたと主張しているのに、上告人はこれを否定しているから、現時点における理事の確定等について決議から派生した法律上の紛争が存在しており、上告人が被上告人の社員であるとすると、本件理事選任決議の存否を確定することが、上告人の上記利益が害される危険を除去するために必要、適切であるというべきである。 |
| 3) |
医療法は、社団たる医療法人において、開設しようとする診療所の名称及び場所を定款で定めるべき事項とし(44条2項3号)、その定款の変更は都道府県知事の認可を受けなければ効力を生じない(50条1項)としている。これは、新たに診療所を開設するかどうかが当該法人の経営の根幹にかかわる重要な事項だからであり、社団たる医療法人の社員は、診療所の開設、運営が法令及び定款に従い適正に行われることについて法律上の利益を有するというべきである。被上告人は、本件定款変更決議に基づき、広川町分院を開設し、同所における診療行為等を現に継続しているのに、上告人は決議の存在を否定し、その運営の適法性を争っているから、広川町分院の開設、運営について決議から派生する法律上の紛争が現に存在しており、上告人が被上告人の社員であるとすると、本件定款変更決議の存否を確定することが、上告人の上記利益が害される危険を除去するために必要、適切であるというべきである。 |