M&A 「事業譲渡」
1. 事業譲渡とは、
一定の営業目的のために組織化された有機的一体としての財産(得意先関係等(のれん等)の経済的価値のある事実関係を含む)を譲渡する債権契約、と一般的には言われています(旧商法245条、会社法467条1項1号)。
単なる重要な財産の譲渡(旧商法260条2項1号、会社法362条4項1号)とは異なります。
事業であれば、全部でも一部でも、営業所単位でも、特定の事業部門だけでも譲渡は可能です。
有償であれば、売買類似の混合契約となります。
なお、「事業」譲渡とは、改正前商法では「営業」譲渡とされていたものを、会社法の制定に伴って語を改めたものですが、その概念の実質に変更はなく、改正前商法における「営業」概念についての判例等の見解は、そのまま現在の「事業」概念にもあてはまります。
2. 手続
(1) 事業譲渡契約の締結(事前に事業譲渡に関する基本合意(一種の予約)が別途交わされることもあります)
(2) 株式会社では、事業の全部又は重要な一部の譲渡、他の会社の事業全部の譲受けには、株主総会の特別決議による承認が必要(旧商法245条、会社法467条1項1号、309条2項11号)
(3) 事案によっては、公正取引委員会への届出(独禁法)や主務官庁への届出、許認可等(特別法)が必要になることがあります。
(4) 譲渡の実行手続、対抗要件の具備
3. 効果
| (1) 事業財産の移転 |
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この財産の移転には、各財産毎に個別の移転手続きが必要であり、且つ、各別に対抗要件を具備することが必要です。
| 1) |
不動産(土地、建物)−移転登記 |
| 2) |
動産−引渡し |
| 3) |
借地権、借家権−各対抗要件、賃貸人の承諾 |
| 4) |
売掛金等−債権譲渡通知書等 |
| 5) |
買掛金等−債権者の承諾のもとに、重畳的債務引受け又は免責的債務引受け |
| 6) |
継続的取引−取引相手方の承諾のもとに、契約更改手続等 |
| 7) |
知的財産権−各移転の登録等 |
| 8) |
のれん等の事実関係−ノウハウの伝授、得意先や仕入先への通知等 |
| 9) |
従業員の引き継ぎ−従業員の個別の同意が必要 |
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| (2) 競業避止義務 |
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事業を譲渡した会社(譲渡人)は、競業避止義務を負うことになります(旧商法25条、現商法16条)。ただし、契約によってこれを免除することもできます。 |
| (3) 商号の続用と譲受人の責任等 |
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事業を譲り受けた会社(譲受人)が、譲渡人の商号を続用する場合には、譲受人は、譲渡し人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負うなどの第三者保護のための制度が定められています(旧商法26条〜29条、現商法17条〜18条)。 |
| (4) 反対株主の株式買取請求権 |
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事業譲渡に反対する株主には、会社に対して自己の株式を買い取るように請求する権利が認められています(旧商法245条ノ2〜4、現会社法469条〜470条)。 |
4. 事業譲渡契約書
他の組織再編行為と異なり、契約で定めるべき事項は法定されていませんが、次の諸事項等を定めるものを多く見受けます。
(1) 譲渡する事業の特定
(2) 譲渡日
(3) 譲渡財産の目録
(4) 譲渡価額、その支払方法
(5) 各財産の引渡日、対抗要件の具備
(6) 従業員の引き継ぎの有無、その方法、条件
再雇用、出向等、勤続年数や退職金の引継ぎ等
(7) 株主総会の承認
(8) 競業避止義務−免除の有無
(9) 商号続用の有無−責任の負担
(10) 引渡し迄の善管注意義務
(11) 事情変更による譲渡条件の変更等
(12) 契約の効力発生−株主総会の承認と諸官庁の許認可を条件
(13) 瑕疵担保責任
(14) 費用の負担
(15) 公租公課の分担
この
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