御器谷法律事務所

FCと見切り販売

1. 見切り販売とは
 見切り販売とは、消費期限の近づいた弁当などの商品をフランチャイズチェーン(FC)加盟店が値引きして売ることをいいます。
 FC契約において、FC加盟店の売上高から「実際に売れた商品」の仕入れ原価を差し引いた粗利益に一定の割合をかけて算出される額をFC加盟店が本部に支払うロイヤルティ制度を採用されることがあります。
 このようなロイヤルティ制度を採用した場合、「実際に売れた商品」以外の商品、すなわち売れ残り商品についての仕入れ原価は加盟店側が負担することになりますので、消費期限切れ商品の廃棄コスト(仕入れ原価)は加盟店側が全額を負担することになります。 

2. 見切り販売の問題点
 次項に掲載したセブンイレブン事件で、セブンイレブン・ジャパン側は下記のような問題点を指摘した上で、見切り販売制限の正当性を主張したことがありました。
(1) 見切り販売をすることによって、鮮度が売りであるブランドイメージを破壊しかねず、中長期的に見れば、損失を招くおそれがあります。
(2) 第三者に対する統一したフランチャイズチェーンのイメージの確保が損なわれるおそれがあります。
(3) どこへ行っても同じ価格という信頼を損ない、客足が商品の購入を躊躇することにより、結果として利益が減るおそれがあります。
(4) 加盟店同士が値下げ競争することによって、同じフランチャイズの加盟店同士が潰しあいをしかねません。
(5) 定価で買わない客が増加することによって、値引き時間帯をめがけて来店するようになり、利益が減る可能性があります。

3. セブンイレブン事件
 平成21年6月22日、公正取引委員会からセブンイレブン・ジャパンに対して、見切り販売の制限について排除措置命令が出されました。
 セブンイレブン・ジャパンは契約書で「商品価格は加盟店が自由に決められる」としているにもかかわらず、本部との契約を打ち切られると事実上契約は成り立たなくなる加盟店に対して、見切り販売を行った加盟店に「二度とやるな」と命じたり、従わない店に契約の打ち切りを示唆したりするなど、見切り販売を制限しました。
 公正取引委員会は、加盟店が、本部からの要請に従わざるを得ない実態があると判断し、セブンイレブン・ジャパンの取引上の地位は、加盟店に優越していると認定しました。そのうえで、セブンイレブン・ジャパンは、自己の取引上の地位が加盟店に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、取引の実施について加盟店に不利益を与えているものであり、これは不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)の第14項4号が規定する優越的地位の濫用(乱用)に該当し、独占禁止法第19条の規定に違反するものであるとし、セブンイレブン・ジャパンに対し、同法第20条1項の規定に基づき、排除措置命令を出しました。
 排除措置命令に対して、セブンイレブン・ジャパン側は、地位の対等性を主張し、「優越的地位の濫用」を否定していますが、臨時取締役会を開催し、廃棄コストの15%をセブンイレブン・ジャパンが負担することを決定した旨の報道がありました。
 
4. 公正取引委員会のFCガイドライン
 今回の見切り販売の制限に対する排除措置命令ですが、公正取引委員会においてはかなり以前から問題とされていたと考えられます。公正取引委員会により公表されているFCガイドラインである「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」(平成14年4月24日公正取引委員会)には、優越的地位の濫用の一例として、「廃棄ロス原価を含む売上総利益がロイヤリティの算定の基準になる場合において、本部が加盟者に対して、正当な理由がないのに、品質が急速に低下する商品等の見切り販売を制限し、売れ残りとして廃棄することを余儀なくさせること」が挙げられていました。

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