御器谷法律事務所

企業と法律 「取締役の刑事責任」

 取締役は、会社経営のにない手として広範な権限を有すると同時に、善管注意義務や会社への忠実義務を負担し、会社や債権者等に対しても責任を有しています。
 このように取締役の責任は、民事上の責任のみならず、次のような場合にはその態様や事業の規模、被害額等に応じて刑事上の責任を負い刑事罰が課せられることがありますので、十分注意しなければなりません。

(1) 業法違反-会社の営業につき業法がある場合、その業法に違反したときは、行政処分の対象となるのみならず、刑事罰の対象となることがあります。
(2) 特別背任罪-無担保の不正融資で回収ができなかったとき、会社の財産を不当に安い価格で入手したとき等、自己や第三者の利益又は会社に損害を与えるためその任務に反して会社に財産上の損害を与えたときに成立することがあります。リベートの受け取りも場合により特別背任罪が成立することがあります。新会社法では、企業の活用の国際化に伴い、国外犯の規定が新設されます。
(3) 会社財産を危うくする罪-違法配当や営業外の投機取引を行ったとき、粉飾決算を行い違法配当を行ったときもこの罪が成立することがあります。
(4) 総会屋等への利益供与罪-勿論利益を与えた方も処罰されます。新会社法では、自首減免の規定が新設されます。
(5) 商法上の涜職(とくしょく)罪-職務に関し不正の請託を受け財産上の利益を収受、要求、約束したときに成立。社交的儀礼の範囲を超える金品を取引先から受領すると問題となります。
(6) 法人税法違反-脱税の際その額が一定の金額を越えると刑事罰の対象となってきます。また、追徴税、重加算税等の問題も生じてきます。会社と役員への両罰規定が問題となることもあります。
(7) 贈賄罪-建設業等で公共事業の入札等に関して公務員に金品を供与、申込、約束等すると贈賄罪が成立します。
(8) インサイダー取引-公開企業の内部情報を事前に入手しその株式の売買等をし不正の利益を得るとインサイダー取引として証券取引法により処罰されます。
(9) 電磁的公正証書原本不実記録罪-事実に反する架空増資を行ったものとして虚偽の登記の申請をしたとき等に成立。
(10) 業務上横領罪-会社財産の着服等のときに成立。
(11) 詐欺罪-国からの各種補助金や助成金を不正に受領したときにも成立。
(12) 独占禁止法違反-入札談合事件ではカルテルにつき刑事告発もあります。
(13) 談合罪(競売入札妨害罪)-公共事業の入札談合事件で成立することがあります。
(14) 詐欺破産罪、詐欺再生罪-破産申立や民事再生申立の際資産隠し等があるときに成立することがあります。
(15) 電気通信事業法違反-盗聴事件に成立することがあります。
(16) 業務上過失致死傷罪-製品の欠陥のために死傷事故が生じたとき等に成立する可能性があります。
(17) アメリカ反トラスト法違反-国際カルテルにつき法人へは巨額の罰金、役員や担当者には禁固刑も適用されることがあります。
(18) 有価証券報告書虚偽記載-株式公開企業につき粉飾決算があるとき金融商品取引法違反の罪が成立することがあります。

この取締役の刑事責任につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい
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