独禁法違反行為に対する弁護の方針
1. 独禁法違反行為により被害を被っているときは、
(1) 公正取引委員会への申告−法§45
「何人も、この法律の規定に違反する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。」
(2) 事前救済−差止請求−法§24
不公正な取引方法により利益を侵害されようとしている被害者は、その差止めを請求することができます。
くわしくは「
差止請求」をご覧下さい。
(3) 事後的救済−損害賠償請求
独禁法違反行為により損害を被った被害者は、独禁法§25、民法§709(不法行為)、株主代表訴訟等により損害賠償の請求をすることができます。
くわしくは「
損害賠償請求」をご覧下さい。
2. 独禁法違反の被疑者は、
(1) 審査の端緒段階では、
公取委への申告が何等かの理由により明らかになったときは、その申告事実が事実に反する場合には、被申告者は積極的に公取委に対して事実を伝え、立入検査や正式審査へ進まないよう万全の対応をすべきでしょう。
(2) 審査段階では、
1) 公取委の立入検査への対処については、「
立入検査」をご覧下さい。
2) 審査においてもその処理として法的措置となるか、警告や注意でとどまるかによって大きな違いがあります。
独禁法違反被疑事実について、これを否認するか、又は事実を認めたうえでいわば情状を問題とするか、によって弁護の方針が大きく変ってきます。
審査段階においては、会社の担当者はほぼ被疑者と同様に供述録取書をとられます。理詰めの質問あり、長時間の繰り返しの呼び出しあり等、被疑者の人権は、と言いたくなることも度々あります。
供述録取書の内容は、念のため可能な範囲で再現しておきましょう。自分の意図しないことが文書となったのなら、即訂正のアクションをおこすべきでしょう。
審査官の処分に不服があるときは、1週間以内に委員会に対して異議の申立てをすることができます(規則§19)。
弁護人としては、一定の時期にタイミングをみて、会社側の反論の文書を公取委に提出し、又、審査の処理について公取委と交渉することがあります。その際は、事実の認定のみならず、審査において認定しようとしている事実の内容、範囲、違法性の程度、該当条文の特定、排除命令の内容・範囲、課徴金の額(期間、範囲)等につき、各事件につきポイントをしぼって交渉することがあります。
また、審査が終局段階近くになったときは、弁護人として最後の詰めの交渉をし、反論書や弁論書を提出し、場合によっては経済法学者や産業組織論やマーケティング論等の経済学者の意見書を提出することがあります。
なお、カルテルや入札談合において独占禁止法違反の行為を認めるときは、自らこれを申告して「
課徴金減免制度」、つまりリーニエンシーの申立をするか否かを早急に検討しなければならないケースもあるものと思われます。
(3) 審判段階では、
1) 独禁法違反とされる行為につき、事実関係を全面的に争うのか、事実の内容、範囲を争うのか、最後迄争うのか等を見極めて弁護の方針を決める必要があります。特に最終的に同意審決とするのか、審判審決を得るのかによって具体的弁護のやり方が大きく異ってくるでしょう。
2) 課徴金の納付命令に対して不服があるときは、審判手続の開始を請求することができます。
この課徴金に関する審判手続については、「
課徴金」をご参照下さい。
(4) 審決取消訴訟段階では、
「
審査、審判、審決」のうちの「
審決取消訴訟」をご参照下さい。
この
独禁法違反行為につきましても、遠慮なく
当事務所にご相談下さい。