歯科医療訴訟
1.歯科医療訴訟の割合
歯科医療訴訟は近時の医療訴訟全般の中で約7パーセント程度の割合になっているといわれております。
2. 歯科医療について
歯科医療は、ごく一部(ごく初期の虫歯等のケース)を除いて治癒することはありませんので、歯科医療は当該歯が本来もっていた機能の一部を回復するために行われるにすぎないことになります。
よって、歯科医療は、基本的には治癒しない医療であるといわれております。
患者側においてもこのような歯科医療を十分に理解し、治療に臨む必要がありますが、実際には患者側は、このような理解が必ずしも十分ではなく、たとえばインプラントや入れ歯等に過大な期待を寄せているケースが多々見受けられます。
そのようなケースでは自分の期待と実際の医療とのギャップから患者が不満を持つことも往々にしてあるようです。
3. 歯科医療事件の種類
・ インプラント
・ 歯科矯正
・ 説明義務違反
・ 抜糸後の敗血症
・ 顎関節症の誘発
・ 偶発的な事故
・ 禁忌薬の投与
・ 舌ガン等の見落とし
・ 神経治療の失敗
4. 証拠保全をする場合の注意点
歯科医療過誤において、証拠保全の必要性は高いものがあります。
しかし、相手方の多くが個人病院であり、証拠保全に協力しないことも考えられますので注意が必要です。
保全する証拠は、診療録、レントゲン写真、模型などです。
このうち、レントゲン写真は、客観的な証拠であり最重要と考えられます。
また、模型には研究模型と作業模型があり、作成方法として顎の形をとり石膏を流して作りますので、この保全のために歯科技工士の協力が必要になることもあります。
5. 歯科医療過誤訴訟の問題点
歯科医療事件においては被害にあった患者が生存しており、現状を立証することは比較的容易です。歯科の治療は痕跡が残ることから現在の患者の歯の状況から立証できることも多いと考えられます。
6. 損害額
通院についての慰謝料については交通事故の基準に準じて、ある程度の損害が認められる場合もありうると考えられます。
後遺症の慰謝料については、交通事故の資料を基準とすれば、3歯の補綴(ほてつ・歯が欠けたりなくなった場合に人工物で補うこと)で後遺障害の等級としては14級にしかすぎません。
従って、損害額は少額にとどまる場合が多いようです。
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