御器谷法律事務所

二重派遣の禁止

1. 二重派遣とは、
 派遣先企業が派遣元企業から派遣された労働者をさらに他の企業に派遣することを言います。これを図示すると次のようになります。


 つまり、派遣元から派遣先への派遣契約と派遣先から二重派遣先への派遣契約があたかも二重に存在するように見えることから「二重派遣」と呼ばれています。
 この二重派遣は、例えば顧客である企業から人材派遣会社が労働者の派遣契約を締結しようとしたところ適当な人材がいないために元の派遣元と雇用関係にある労働者を顧客に派遣するために行われたり、元の派遣元と派遣先に密接な取引関係があったりする場合等に便宜上行われることがあるとも言われています。

2. 二重派遣の実務上の問題点
 二重派遣にあっては、対顧客企業に対してその派遣元が上記図によれば元の派遣元か派遣先かにつき必ずしも明確ではなく、又、二重に派遣契約があるようにも見え、労働者に対する雇用関係が明確ではなく、そのため派遣元の雇用主としての責任が不明確な面があり、そのため労働者の保護に欠ける等様々の問題が懸念されます。
 しかも、この二重派遣は、偽装請負と同様に行われることもあり、その場合には労働者保護の要請は著しく欠けることが明白なものがあります。

3. 二重派遣の法律上の問題
 労働者派遣は、元来「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」(労働者派遣法第2条・1号)を意味します。
 しかし、二重派遣においては、上記図の派遣先と労働者との間には雇用関係がなく、法律上は労働者派遣に該当しないものです。
 従って、派遣先においては、法律上の労働者派遣事業ではない形で二重派遣先に対して労働者を供給しているものとして職業安定法第44条の違反の問題が生じうるところであります。
 職業安定法第44条は、「何人も、次条に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。」と規定していることから、二重派遣の場合には二重派遣先にも職業安定法違反の問題が生じうる可能性があります。
 なお、この職業安定法第44条に違反したものは、1年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処す旨の規定があります(同法64条)。

 この二重派遣の禁止につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

執務の方針| 弁護士のプロフィール| 取扱事件 | ご案内 顧問契約 |

弁護士費用 | 事務所案内図 | リンク| トップ