独占禁止法のエンフォースメント
1. enforcementとは、
一般的には、法の施行、実施、強制等を意味します。
独占禁止法のエンフォースメントとは、独禁法の実施や強制さらには執行のあり様等について語られることが多いようです。
独禁法が規制する実体的規定に違反する行為があった場合、独禁法がめざす競争秩序を実施するためにどのような措置が採られるべきかの議論の中で、その中心となるのが公正取引委員会の行政手続であり、さらに刑事告発及び刑事罰の執行、そして損害回復のための民事手続である損害賠償請求と差止請求が中心の課題として論じられています。
なお、法令違反の場合の制裁ないし措置等をサンクション(sanction)と呼んで論じる見解もあります。
そして、この独禁法のエンフォースメントやサンクションを行政、刑事、民事の各方面から総合的に論じる際にも、その実効性に疑問を感じることが少なからずあります。
2. 行政上の措置
独禁法違反に対する行政上のサンクションとしては、公正取引委員会の排除措置命令と課徴金納付命令等があり、これらの命令が公取委の行政上の措置の中心となっています。
3. 刑事上の措置
独禁法違反行為のうちでも不公正な取引方法を除く私的独占、カルテルのうち国民生活に影響を及ぼす悪質・重大な事案等は、公取委が刑事告発し刑事罰が課されることとなります。
アメリカやEU諸国と比較し、この刑事罰においても日本の現実は必ずしも厳しくないとの批判もあります。
4. 民事上の措置
独禁法違反行為により損害を被った事業者や消費者は、その損害の賠償を違反者に請求することができ、又、不公正な取引方法により損害を被る被害者はその行為の差止請求を裁判所に求めることができます。
しかし、この私人による訴の提起は、いずれも実効性を確保する迄の実績をあげていない現実があります。
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