御器谷法律事務所

事業者団体の判例


観音寺市三豊郡医師会事件−東京高裁平成13年2月16日判決
「医療の提供が、非営利事業で、価格競争の動く余地が少ないとはいえ、医師によって治療方法や投薬が異なり、それによって治療費が異なるほか、医療機関の医療従業者の専門的能力、設備の水準等には差異があり、医療の分野においても、提供する医療の内容、室において競争原理の働く局面は多く、公正かつ自由な競争によって、需要者の利益を確保し、医療サービスの健全な発展を促進する必要があるのであり、医療の提供が独禁法の適用対象となることは明らかである。・・・私的な団体で、法的規制権限をを与えられていない医師会としては、地域の医療状況等に関する情報を提供したり、合理的な範囲内で圧力・強制にわたらない助言・指導・意見表明を行うことが許されるにとどまると解される。医療機関も、医療法の公的規制の枠内で、自由競争の原則を通じて医療役務の提供の質的向上等を図ることが求められているのである。」

日本冷蔵倉庫協会事件−公取委平成12年4月19日審判審決
「被審人による会員事業者の届出料金の引上げに関する決定は認められる」
「被審人の平成4年6月18日及び同年7月15日の届出保管料の決定及び周知は、本来会員事業者が自由になし得る届出を拘束・制限するものであって、会員事業者の機能又は活動を不当に制限するものであるから、独占禁止法第8条第1項第4号違反が成立する。」

教科書協会事件−公取委平成11年11月2日勧告審決
社団法人教科書協会は、「会員の自主的な教科書の編集・製作活動を制限しているものであり、これは、構成事業者の機能又は活動を不当に制限しているものであって、独占禁止法第8条第1項第4号の規定に違反するものである。」

浜北市医師会事件−公取委平成11年1月25日勧告審決
社団法人浜北市医師会は、独占禁止法第2条第2項に規定する事業者団体に該当するところ、会員に対して広告自粛規程を遵守させることにより、会員の広告活動を制限しているものであり、これは、構成事業者の機能又は活動を不当に制限しているものであって、独占禁止法第8条第1項第4号の規定に違反するものである。

広島県石油商組広島市連合会事件−公取委平成9年6月24日審判審決
広島市を中心とする地区内に限って、大部分の被審人会員により9月1日から4円という時期及び幅の双方が顕著に不自然に揃った小売価格の引上げがされたことが明白となっている。

エアーソフトガン事件−東京地裁平成9年4月9日判決
共同の取引拒絶行為であっても、正当な理由が認められる場合は、不公正な取引方法に該当しないと解される(一般指定1項)。
本件は、被告(日本遊戯銃協同組合)がエアーソフトガンの安全に関する品質基準を設けて、これに合致しない商品の取扱いを中止するよう問屋及び小売店に要請したという事案であるから、本件自主基準設定の目的が、競争政策の観点から見て是認しうるものであり、かつ、基準の内容及び実施方法が右自主基準の設定目的を達成するために合理的なものである場合には、正当な理由があり、不公正な取引方法に該当せず、独禁法に違反しないことになる余地があるというべきである。
被告は主として右安全確保の目的のためにASGK制度を設けたものであり・・・
・・安全性の確保されない製品の流通による事故の防止は消費者の利益に適うことであり、本件自主基準の目的は、独禁法の精神と何ら矛盾するものではないというのが相当である。
被告の本件自主規約及びこれに係る本件自主基準の設置目的は、正当なものであるということができる。
被告の組合員の製造販売にかかるASGKシール貼付の製品であっても、0.4Jを超える威力を有するものが現実には多数存在していたことなどに照らせば、本件92Fが被告組合員らの製造販売に係る製品と対比して格別に消費者及びその周辺社会に重大な危険を与えるものであるとは到底いえないものである。
たとえ本件自主基準の設定目的が正当なものであり、本件自主基準の内容も一応の合理性を有するものであっても、本件妨害行為は、右目的の達成のための実施方法として相当なものであるとは到底いえないというべきであり、正当な理由があるとはいえず、独禁法が禁止している前記「不公正な取引方法の勧奨」に該当するものである。
また、本件妨害行為は、自由競争経済秩序の維持という独禁法の保護法益を犠牲にしてまで、消費者及びその周辺社会の安全という法益を守るため必要不可欠なやむを得ない措置としてされたものであるとは到底認められないから、前記独禁法の究極の目的に実質的に反しない例外的な場合であるとは認められず、ひいては公共の利益に反しないものとはいえないから、本件妨害行為は独禁法が禁止している前記「不当な競争制限」に該当するというべきである。

大阪バス協会事件−公取委平成7年7月10日審判審決
「事業者団体の何らかの機関で決定がされた場合において、その決定が構成員により実質的に団体の決定として遵守すべきものとして認識されたときは、定款又は寄付行為上その機関が団体の正式意思決定機関であるか否かに係わりなく、その決定を団体の決定というのに妨げはないと解するのが相当である・・・。」「現実に前記の貸切バス小委員会において審議検討の上最低運賃等に関する本件各決定がされ、それらの決定は、いずれも会員貸切バス事業者に周知徹底され、また現に会員貸切バス事業者は、これらの決定を遵守して、旅行業者と運賃等の交渉をし、収受するための努力をしたことが明らかであり、これらの決定に加わった貸切バス小委員会の各委員が会員貸切バス事業者の指導的な実務担当者であったことをも考慮すれば、各決定が会員貸切バス事業者により被審人の決定として遵守すべきものと認識されていたことは否定しようがないから、貸切バス小委員会による各決定は、同小委員会がその決定をすべき正式意思決定機関であるかどうかと係わりなく、被審人の決定と判断するのを妨げないというべきである。」「道路運送法の定める運賃等の認可制度が独占禁止法の規律する競争秩序を規定、拘束することはないという意味においては、双方の法律に一般法と特別法との関係はない」

東日本おしぼり協同組合事件−公取委平成7年4月24日勧告審決
東日本おしぼり協同組合は、独占禁止法第2条第2項に規定する事業者団体に該当するところ、同組合は、組合員のうちに小規模の事業者とは認められない者を含んでおり、小規模の事業者の相互扶助を目的とする組合とは認められない。したがって、同組合は、中小企業等協同組合法に基づいて設立された事業協同組合であるが、独占禁止法第24条第1号の要件を欠いており、同法の適用を受けるものである。
東日本おしぼり協同組合は、組合員の得意先争奪を禁止しているものであり、これは、構成事業者の機能又は活動を不当に制限しているものであって、独占禁止法第8条第1項第4号の規定に違反する。
東日本おしぼり協同組合は、不当に資機材の供給業者に対し、新規参入業者に資機材を供給しないようにさせているものであり、これは、事業者に不公正な取引方法(昭和57年構成取引委員会告示第15号)の第2項に該当する行為をさせるようにしているものであり、同法第8条第1項第5号の規定に違反するものである。

全国モザイクタイル工業組合事件−公取委平成6年5月30日勧告審決
全国モザイクタイル工業組合は、独占禁止法第2条第2項に規定する事業者団体に該当するところ、組合員の国内向け外装用の四五角・四五二丁タイルの施釉平物及び輸出業者に対する東南アジア輸出向けの同製品の出荷価格の維持、引上げを決定することにより、我が国における外装用の四五角・四五二丁タイルの施釉平物の国内向け及び輸出業者に対する東南アジア輸出向けの供給に係るそれぞれの取引分野における競争を実質的に制限していたものであって、これは、同法第8条第1項第1号の規定に違反するものである。

滋賀県生コン工組事件−公取委平成5年11月18日勧告審決
滋賀県生コンクリート工業組合は、独占禁止法第2条第2項に規定する事業者団体に該当するところ、・・・大津生コンクリート協同組合、湖東生コンクリート協同組合及び湖北生コンクリート協同組合(以下「生コン協組」)をして、不当に、滋賀県建設業協同組合の組合員に対し、生コン協組の競争者と生コンの取引をしないことを条件として当該相手方と取引させるようにしているものであって、これは、事業者に不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)の第11項に該当する行為をさせるようにしているものであり、同法第8条第1項第5号の規定に違反するものである。

沖縄ビルメンテナンス協会事件−公取委平成5年5月14日勧告審決
「社団法人沖縄県ビルメンテナンス協会は、独占禁止法第2条第2項に規定する事業者団体に該当するところ、官公庁等が指名競争入札等の方法により発注する沖縄地区の環境衛生管理業務について会員に受注予定者を定めさせ、受注予定者が受注できるようにさせることにより、また、沖縄県が発注する県庁本庁舎に係る環境衛生管理業務について受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにすることにより、官公庁等が発注する沖縄地区の環境衛生管理業務の取引分野における競争を実質的に制限していたものであって、これは、同法第8条第1項第1号の規定に違反するものである。」

仙台港輸入木材調整協議会事件−公取委平成3年1月16日勧告審決
仙台港輸入木材調整協議会は、「仙台港での木材の輸入販売に係る事業分野における事業者の数を制限しているものであって」8条1項3号に違反し、「正当な理由がないのに、会員である木材輸入業者に対し、共同して港湾運送業者に非会員との輸入木材の荷役に関する取引を拒絶させる行為を行わせているものであって」、8条1項5号に違反する。

石油価格協定刑事事件−最高裁昭和59年2月24日第二小法廷判決
各被告会社(出光、日石、太陽、大協、丸善、共同、キグナス、九州、三菱、シェル、ゼネラル、昭和)の営業担当役員である被告人らは、エッソとモービルを除くその余の全元売り会社の営業担当役員によって事実上構成される石油連盟の営業委員会において、石油製品価格の油種別の値上げ幅と実施時期を定め、通産省の了承を前提として各社一斉に値上げを行う旨合意をしたものであるところ、かかる事実関係のもとにおいては、被告人らの右行為は、石油連盟の営業委員としての行為であると同時に、その所属する各事業者の業務に関して行われたものと認めるのが相当であるから、右合意をした会合を、原判決の認定と異なり石油連盟の営業委員会であると認定したからといって、その点は、各被告会社の刑責になんら消長を及ぼすものではない。
独禁法上処罰の対象とされる不当な取引制限行為が事業者団体によって行われた場合でも、これが同時に右事業者団体を構成する各事業者の従業者等によりその業務に関して行われたと観念しうる事情のあるときは、右行為を行ったことの刑責を事業者団体のほか各事業者に対して問うことも許され、そのいずれに対し刑責を問うかは、公取委ないし検察官の合理的裁量に委ねられていると解すべきである。

東京手形交換所事件−東京高裁昭和58年11月17日判決
手形交換を行わない手形交換所を想定できないのと異なり、取引停止処分は手形交換所にとって理論上絶対的に必要な制度ということはできないけれども、それは原告主張の如く単に金融機関自身の取引の安全を図る私的な利益保護のための便宜的な制度ではなく、手形、小切手による信用取引を行う者(金融機関も含む。)全体のために、経済界において広く行われている右信用取引の安全を守り、手形制度の信用維持を図るという公益目的に資するものとして、手形交換業務と密接に関連し、相伴って重要な役割を果たしているものということができる。
取引停止処分制度をもって独禁法の意図する公正な競争を阻害するおそれのある不公正な取引方法(第2条第9項。一般指定第1号にいう『不当な取引拒絶』)に該当する行為をさせるようにするものとはなし難い(同法第8条第1項第5号。なお同項第4号にいう『不当に制限すること』に当たるともなし難い)ところといわざるをえない。

高知県生コン工組事件−公取委昭和53年3月1日勧告審決
高知県生コンクリート工業組合は、「セメント製造業者をして地区内において同組合の了承を得ないで生コンの製造設備を新増設した事業者に、不当にばらセメントを供給させないようにしているもの」であり、不公正な取引方法旧一般指定の1号に該当し、法8条1項5号の規定に違反する。

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