先 物 取 引
1. 先物取引とは、一般的には「将来の一定の時期に一定の商品の受渡しを約して、その価格を現時点で決めて行う取引」をいいます。
先物取引の種類には、1)商品先物取引、2)商品ファンド、3)株式・債券に関する先物取引、4)金利・通貨に関する先物取引などがあり、種類に応じて、取引を規制する法令等も異なります。
2. 先物取引については、価格変動の予測が困難であるにもかかわらず、そのリスクの説明が不十分な場合があり、業者のいうままに取引を続けた結果、損害が発生することなどが問題とされています。
これまで、裁判例等で問題になったのは、次のような事案です。
(1) 適合性原則違反
顧客の財産状況、投資経験等に照らし、投資の勧誘が不適当とされた事案
(2) 断定的判断の提供・元本保証
「絶対儲かる」「損はしない」等、先物取引により投資者が損害を蒙らないと誤信した事案
(3) 説明義務違反
先物取引の仕組み、危険性等が十分に説明されなかった事案
(4) 一任取引・過当取引
商品の種類、数量等、先物取引の締結が業者に一任された事案
業者の手数料稼ぎと思われる過度の取引がなされた事案
(5) 新規委託者保護義務違反
新規委託者に対し、過度の取引をさせた事案
(6) そのほかにも、電話などによる無差別勧誘なども問題とされています。
3. 判例‐
最高裁 平成7年7月4日判決
「(1) 被告らは、商品先物取引の経験が全くない原告を電話により勧誘し、商品先物取引の仕組みや危険性について十分な説明をしないまま取引を始めさせた、(2)
本件において、多くの取引が、実質的には委託の際の指示事項の全部又は一部について原告の指示を受けない一任売買の形態でされ、短期間に多数回の反復売買が繰り返されたり、両建が安易に行われている、(3)
被告らは、原告の自主的な意思決定をまたずに、実質的にはその意向に反して取引を継続させ、原告の支持どおりの取引をせず、その資金能力を超えた範囲まで取引を拡大させた、など本件取引に関する被告らの一連の行為を不法行為に当たるものと判断して、原告の本件請求につき、過失相殺の上、その一部を認容すべきものとしている」
4. 先物取引は、そもそも、仕組みを理解することが困難であり、種類もさまざまであること、また、数多くの売買がなされていることから、取引の実態を把握するだけでも困難な場合が多く見受けられます。
裁判例でも、業者の側の義務違反が認められ、委託者の損害賠償が認められた事案も存在します(但し、委託者の側にも責任があったとして、過失相殺を認める事案が多く見受けられます)。
先物取引による被害を最小限にするため、事案によっては被害の回復を可能とするため、先物取引をしていて疑問を感じられた場合には一刻も早く
当事務所にご相談下さい。