御器谷法律事務所

関西国際空港新聞販売取引拒絶差止事件
(大阪高等裁判所平成17年7月5日判決)

事件の背景
・関空販社は、空港島における販売窓口一本化のために設立され、当初、卸売5社から一手に空港島向けの全国紙を仕入れ、これを空港島内の売店、航空会社等に販売していた。
・関空販社は、(1)控訴人からの取引申し込みを拒絶したことはなく、しかも、(2)卸売5社とは競争関係にはなかったものであることが認められるから、関空販社について共同の取引拒絶を行ったとは到底いえない。
・卸売5社は、共同して取引拒絶を行ったが、控訴人は、卸売5社から全国紙の仕入れを拒否されたといえ、卸売5社以外の卸売業者から仕入れることは可能であり、現にB社から仕入れているのであり、また、被控訴人関空販社においても、控訴人に対し、全国紙の販売取引に応じる用意のあることを申し出ているのであるから、控訴人が卸売5社との直接取引にこだわらず、被控訴人関空販社に対し、取引を申し出ていたならば全国誌を容易に仕入れることができたであろうことは推認するに難くないということができる。
そうすると、卸売5社のした本件各取引拒絶には、公正競争阻害性があったということはできない。

法の適用
 差止請求が認められるには、正当な理由のない共同の取引拒絶により、「著しい損害を生じ、又は生ずるおそれがある」(以下「著しい損害」という。)ことが必要である。
 ここにいう著しい損害とは、いかなる場合をいうかについて検討するに、そもそも、独禁法によって保護される個々の事業者又は消費者の法益は、人格権、物権、知的財産権のように、行為類型が具体的ではなく、より包括的な行為要件の定め方がされており、公正競争阻害性という幅のある要件も存在する。すなわち、幅広い行為が独禁法19条に違反する行為として取り上げられる可能性があることから、独禁法24条は、そのうち差止めを認める必要がある行為を限定して取り出すために、「著しい損害を生じ、又は生ずるおそれがあるとき」の要件を定めたものと解される。
  そうすると、著しい損害があって、差止めが認められる場合とは、独禁法19条の規定に違反する行為が、損害賠償請求が認められる場合より、高度の違法性を有すること、すなわち、被侵害利益が同上の場合より大きく、侵害行為の悪性が同上の場合より高い場合に差止が認容されるものというべきであり、その存否については、当該違法行為及び損害の態様、程度等を勘案して判断するのが相当である。

本件のポイント
・「共同の取引拒絶」の成否
関空販社については、共同の取引拒絶という事実関係を不存在とした。
卸売5社については、公正競争阻害性を否定した。
・「著しい損害」
独占禁止法第24条の差止め請求には、損害賠償請求より高度の違法性を有することを要する。

卸売取引を申込む
卸売取引の申し込みを拒絶するな

関西国際空港島 売店に対する主要5新聞の販売 航空会社に対する旅客機搭載用の主要5新聞の販売

この関西国際空港新聞販売取引拒絶差止事件につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい
「独占禁止法セミナー」へ

執務の方針| 弁護士のプロフィール| 取扱事件 | ご案内 顧問契約 |

弁護士費用 | 事務所案内図 | リンク| トップ