労働者派遣法
1. 労働者派遣法とは、
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」の略称です。同法は、昭和61年(1986)に施行となっています。
同法の目的は、「職業安定法と相まって労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の就業に関する条件の整備等を図り、もって派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資すること」とされています(同法第1条)。
労働者派遣事業や人材派遣事業は、派遣を受ける会社としては必要な人材を外部からタイムリーに活用でき経営の効率化に寄与し、又、労働者としても自分のスキルをいかし柔軟に勤務できる等の利点があり、広く利用されています。
厚生労働省の発表によれば、平成16年度中の派遣労働者数は約227万人、派遣先件数は約50万件、派遣事業の年間売上高は約2兆8,615億円となっています。
2. 労働者派遣の意義
労働者派遣とは、「
自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、
他人の指揮命令を受けて、
当該他人のために労働に従事させること」(同法第2条、1号)を意味します。
つまり、派遣元、労働者、派遣先の三者間には次の3つの関係が成立します。
(1) 派遣元と労働者との間には雇用契約
(2) 派遣元と派遣先との間には労働者派遣契約
(3) 労働者と派遣先との間には指揮命令関係
(直接の雇用契約は成立しません)
3. 労働者派遣法の概要
(1) 労働者派遣事業の種類(同法第2条、4号、5号)
| ・ |
一般労働者派遣事業−特定労働者派遣事業以外の労働者派遣事業。厚生労働大臣の許可制。平成16年度の売上は約2兆3,280億円。 |
| ・ |
特定労働者派遣事業−その事業の派遣労働者が常時雇用される労働者(常用雇用)のみである労働者派遣事業。厚生労働大臣への届出制。平成16年度の売上は約5,335億円。 |
(2) 業務の範囲
次の業務は、労働者派遣事業を行ってはならないものとされています(同法第4条)。港湾運送業務、建設業務、警備業務、医療関係業務の一部、弁護士・公認会計士・社会保険労務士等の業務。
なお、いわゆる「物の製造」業務についての労働者派遣も原則として許容され、労働安全衛生への配慮等が強く求められています。
(3) 労働者派遣契約の締結に際しては、厚生労働省令によりその内容が定められています(同法第26条)。
(4) 派遣元事業主が講ずべき措置等として、派遣労働である旨の明示、派遣労働に係る雇用制限の禁止、就業条件の明示、派遣元責任者の選任、派遣元管理台帳の作成等が規定されています(同法第30条〜)。
(5) 派遣先が講ずべき措置等として、派遣労働者の雇用努力、派遣先責任者の選任、派遣先管理台帳の作成等が規定されています(同法第39条〜)。
この
労働者派遣法につきましても、遠慮なく
当事務所にご相談下さい。