御器谷法律事務所

「独禁法と私」 - その9、リーニエンシー

  1. リーニエンシーとは、
     平成18年1月施行の改正独占禁止法によって導入された、入札談合やカルテルを行った事業者が、自ら違反事実を公正取引委員会に申告し、課徴金の免除や減額を得る制度です。
     欧米に倣った制度で、リーニエンシーとも言われますが、“Leniency”の本来の意味は寛大さにあるようです。

  2. リーニエンシー導入の前と後
     リーニエンシー導入前は、日本の業界の風土や慣行からしてリーニエンシーの行使は実際上少数にとどまるのではないか、との憶測もありました。
     ところが、リーニエンシーが実際に導入されると、年間80件前後位の申告があり、その申告をするのが業界の大手企業という傾向があるようです。
     弁護士としても、いつリーニエンシーの相談が来ても、対処できるだけの勉強は必要と思っていました。

  3. ホームページを見て、
     ある大手企業から、当事務所のホームページを見て、リーニエンシーの相談がありました。
     業界でも大手の企業で私も社名等を知っておりました。これだけの大企業でも顧問弁護士は勿論いるが、独禁法には不案内なため、是非本日中、深夜でもいいので緊急に相談に乗ってもらいたいとのことでした。
     当日夜10時頃、会社の総務、コンプライアンス部、監査役、営業担当者らが急遽集まり相談となりました。内容は、その業界の九州地区の営業担当者が、各企業に怪文書を送付し、その中に業界でのカルテルを示す事実が記載してありました。
     その事実の存否を営業担当者に事情聴取したところ、九州地区ではそのようなカルテル行為が一定の時期に行われていたことはありえる、との事実を確認しました。
     リーニエンシーは、いわば“早いもの勝ち”の制度なので、私は、カルテルに該当する可能性が高いので、すぐにリーニエンシーを行使すべき旨を相談者に伝えました。会社の監査役は、その旨を即社長に伝え、相談当日の深夜には報告書(様式第1号)をFAXにて公取委に送り、「仮の順位」を得ました。
     第1位は、やはり業界最大手の企業であり、相談企業は第2位であったようです。“早いもの勝ち”の制度、やはり経営者の迅速な判断が求められます。
     (弁護士の守秘義務より、設定等は変えています。)


独禁法と私
1.慶應義塾大学時代  2.司法試験受験時代  3.司法修習生時代
4.イソ弁時代  5.東京で独立  6.初めてのカルテルの弁護
7.入札談合の弁護  8.官製談合の弁護  9.リーニエンシー
10.差止請求A案  11.三光丸事件  12.慶應L.S.
13.海外の独禁法  14.差止の示談交渉  15.初の差止決定
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