医療機器の販売
1.医療機器の販売に対する法規制
日本の年間医療費は30兆円、医薬品は6兆円、医療機器は2兆円前後とも言われています(平成17年度、いずれも概算)。
医療機器といっても、メスや血圧計から内視鏡、ペースメーカー、MRI、ステント、PET等極めて多数のものがあり、そのリスクも様々です。これらの医療機器の製造や販売、賃貸は基本的には薬事法によって規制されています。
そして、薬事法では、医療機器を人や動物の疾病の診断、治療や予防に使用され、又、人や動物の身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的とする機械器具で政令で定めるものと定義しています(法第2条4項)。
以下では、医療機器の販売に関するごく大まかな規制のみを説明します。
2. 医療機器の分類とその規制
(1) 高度管理医療機器(法第2条5項)
副作用や機能の障害が生じたときに、人の生命や健康に重大な影響を与えるおそれのある医療機器。例えば、心臓カテーテル、機械式人工心臓弁等。リスク分類上はクラスV、Wとも呼ばれています。
販売については、営業所ごとの都道府県知事の許可制がとられています(法第39条)。また、営業所ごとに管理者を設置しなければなりません(法第39条の2)。
なお、MRIやCT、エックス線撮影装置等の特定保守管理医療機器(法第2条8項)についても、その販売については、同様に許可制がとられ、管理者の設置が義務づけられています。
また、上記各許可に際しては、営業所における衛生上の構造設備基準があります。
(2) 管理医療機器(法第2条6項)
副作用や機能の障害が生じたときに、人の生命や健康に影響を与えるおそれがある医療機器。例えば、エックス線診断装置、CT等。
販売については、営業所ごとの都道府県知事への届出制がとられています(法第39条の3)。
なお、(1)と同様に営業所における構造設備基準があります。
(3) 一般医療機器(法第2条7項)
副作用や機能の障害が生じたとき、人の生命や健康に影響を与えるおそれがほとんどない医療機器。例えば、メス、血圧計等。
販売については、許可制も届出制もとっていません。但し、厚生労働省令で定めるところにより品質確保等に関する遵守事項があります。
3. 営業所の構造設備の基準−薬局等構造設備規則第4条
| (1) |
採光、照明、換気が適切であり、且つ、清潔であること。 |
| (2) |
常時居住する場所や不潔な場所から明確に区別されていること。 |
| (3) |
取扱品目を衛生的で、安全に貯蔵するための必要な設備を有すること。 |
4. 高度管理医療機器等の販売業者の遵守事項(薬事法施行規則第164条〜)
| (1) |
営業所の管理に関する帳簿の備え置き |
| (2) |
医療機器の品質の確保 |
| (3) |
苦情に対する処理 |
| (4) |
営業管理者への継続的研修 |
| (5) |
従事者への教育訓練 |
| (6) |
不具合の通知 |
| (7) |
営業管理者の意見の尊重 等 |
5. 高度管理医療機器等営業管理者の遵守事項(薬事法施行規則第164条2項等)
| (1) |
帳簿への記載−継続研修、品質確保の実施状況、苦情処理・回収処理、その他不良品の処理、従事者の教育訓練、営業所の管理 |
| (2) |
苦情の原因の究明、品質確保の改善 |
| (3) |
継続的研修 |
| (4) |
販売業者への意見 等 |
6. 監督、罰則等
| (1) |
都道府県知事等の立入検査、質問権−法第69条 |
| (2) |
緊急停止命令等−法第69条の3 |
| (3) |
改善命令等−法第72条 |
| (4) |
許可の取消し等−法第75条
薬事法その他薬事に関する法令、これに基づく処分に違反したときは、その許可を取消し、業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。 |
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