御器谷法律事務所

談合と指名停止

1. 指名停止とは、
 国や地方公共団体等が発注する公共工事等において競争入札が行われる場合、発注側の指名基準の運用として、公共工事等を発注するのにふさわしくない業者を指名業者の対象から一定の期間除外する旨の発注者の内部的な措置を意味します。
 このように指名停止は、発注者の指名基準として運用上の内部的な措置にすぎず、行政処分ではないとされています。従って、これに不服があっても、一般的には行政訴訟の対象ではないと言われています。
 この指名停止は、不正行為等を行った業者を入札から排除し、その業者に反省を促し、且つ、不正行為等の再発を防止しようとするものである、とされています。
 しかし、この指名停止の期間は数ヶ月から2~3年に及ぶこともあり、特に公共工事等の比率が高い業者にとっては、死活問題に及ぶこともあると指摘されることもあります。
 このような見地から、指名停止に対する苦情処理手続を規定する例もあります。
 
2. 指名停止モデル
 指名停止処分の具体的な手続や内容については、「工事請負契約に係る指名停止等の措置要領中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデル」やその運用申合せが参考となります。その主な具体的内容等は、特に談合との関係では次のとおりです。
(1) 談合等独占禁止法第3条に違反し、排除措置命令、課徴金納付命令、刑事告発、逮捕を知ったときは、速やかに指名停止を行う。
(2) 公正取引委員会による排除措置命令ないし課徴金納付命令が審判手続において争われる場合においても、指名停止は行われることとなります。
(3) いわゆるリーニエンシーにより課徴金が減免されるときには、指名停止期間が短縮される運用もあるようです。
(4) 指名停止の期間は、その業者の非違行為の程度等により、1ヶ月から36ヶ月の間で各別に決せられることとなります。
(5) 下請業者は、その責任がない場合には、指名停止とならないとされるのが原則と考えられます。
(6) 共同企業者につき非違行為が問題となったときは、その構成員全員につき指名停止を受けるのが原則と考えられます。
(7) 指名停止を受けた業者名は、その指名停止を受けた期間と理由とともにホームページ等において公表されることとなりました。
(8) 指名停止に対する苦情の申立て手続が策定されている例もあります。

3. 国や各地方自治体等の指名停止
 国や各地方自治体等における指名停止処分の例は次のとおりです。
(1) 2009年7月-国交省は、公用車談合事件で、10社に対し、2ヶ月~6ヶ月の指名停止としました。
(2) 2009年9月-奈良市は、建設会社201社に対し、2年間の指名停止としました。
(3) 2010年4月-岩手県談合事件で、国土交通省東北地方整備局は、岩手県の建設会社72社に、最長4ヶ月間の指名停止としました。
(4) 2010年11月-鹿児島県は、鹿児島マリコン談合事件で、31社に対し、3ヶ月~6ヶ月間の指名停止としました。

 この談合と指名停止につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい
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