企業結合に関する事前相談制度
1. 企業結合の事前相談とは、
企業が株式保有、合併、会社分割、事業譲渡等の企業結合に関する計画を有し、これに関する独占禁止法上定められた届出等を公正取引委員会に対して行う前に、当該企業が事前に公取委に対してこの企業結合の計画が独禁法上問題がないか否かを公正取引委員会に相談することを、一般的には意味しています。
法律的には、直接条文上の根拠を有するものではなく、公取委が行う一種の行政指導とも言われています。
2. 事前相談の実務
企業結合は企業の組織上の固い結合をめざすものであり、元に戻すことが一般的には極めて困難であり、企業結合に関する公取委への事前相談は実務上極めて重要な役割をはたしています。弁護士としても、この企業結合について企業側の代理人として公取委と交渉することが多くなってくるものとも考えられます。
公正取引委員会も平成14年12月に「
企業結合計画に関する事前相談に対する対応方針」に公表し、その手続き、透明性の維持に努めています。
以下の手続の概要は、この公取委の対応方針に沿ってその概要を記載します。
3. 事前相談の手続の概要
(1) 事前相談の申出の要件
1) 企業結合の計画をしようとする当事会社からの申出
2) 企業結合の具体的な計画内容を示す
3) 詳細審査の場合、事前相談やその回答の公表に同意
(2) 企業結合計画の具体的内容を示す資料とは、
1) 当時会社の概要
2) 企業結合計画の具体的内容
3) 対象の品目、役務とその概要
4) 当事会社の市場における地位
5) 競争上の判断に及ぼす影響が大きいと考えられる要素とその根拠
6) その他
(3) 公取委による書面審査
公取委は、資料提出後原則として30日以内に、独禁法上問題がない旨、又は詳細審査が必要な旨を通知
(4) 公取委による詳細審査
公取委は、詳細審査に必要な資料の提出完了後原則として90日以内に、独禁法上問題があるかにつき審査し、審査結果につきその理由を含めて文書で回答し、公表する。
4. 問題解消措置の重要性
公取委が事前相談の中で企業結合計画に独禁法上の問題があると考える場合、事前相談を申出た企業が一定の適切な措置を講ずることによりその独禁法上の問題を解消できる場合があり、これを「問題解消措置」と呼んでいます。
この問題解消措置については、公取委の「
企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」の「第6、実質的制限を解消する措置」において公取委の見解が示されています。
なお、問題解消措置を企業が採ったうえで企業結合計画を公取委が認める案件を「条件つき承認」案件と呼ぶこともあります。
問題解消措置の具体的設計については、各企業結合の具体的内容において、一定の事業の譲渡、一定の技術の提供契約の実施、株式の処分、輸入や新規参入を促進する措置の導入等、かなり技巧的ではありますが、ケースごとに具体的措置が講じられています。
この
企業結合に関する事前相談制度につきましても、遠慮なく
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