単独の取引拒絶
1. 単独の取引拒絶とは、
不当に、ある事業者に対し、取引を拒絶し、もしくは商品や役務の数量や内容を制限したり(直接の取引拒絶)、又は、他の事業者にこれらの行為をさせること(間接の取引拒絶)をいいます(一般指定第2項)。
本来取引先選択の自由は、事業者の営業活動の一環と考えられますので、共同ボイコットと異なり、単独の取引拒絶はそれが「不当に」行われた場合にのみ例外的に独占禁止法上の不公正な取引方法となってくると考えられています。
2. 行為要件
共同ボイコットと異なり、単独で行われた場合に問題となってきます。
また、共同ボイコットの場合には「自己と競争関係にある他の事業者(競争者)」(一般指定第1項)との共同が問題となりますが、競争者以外との共同による取引拒絶の場合には本件の一般指定第2項に該当する余地があるでしょう。
3. 公正競争阻害性
単独の取引拒絶においては、次の2つの場合に例外的に公正競争阻害性を有すると指摘されています。
(1) 市場における有力な事業者(シェア10%以上、又は、順位が3位以内)が競争者をその市場から排除する等の目的のために取引を拒絶し、競争者の事業活動を困難とするおそれがある場合
(2) 取引拒絶を、独禁法上の違法ないし不当な目的を達成する手段として用いる場合
なお、私達弁護士がよく相談を受ける案件の中には、継続的取引関係の解除の有効性が争われる場合において、一見取引条件の相違等と見受けられても、その実質上の解除の理由の中に独禁法上の不当な目的を達成するために行われていると思われるものもありますので、その際には市場におけるシェア、解除に至った経緯等を客観的な証拠に基づき、十分に検討、吟味しなければならないと思います。
4. 公取委の審決等
(1) 岡山県南生コン協同組合事件−公取委勧告審決 昭和56年2月18日
「生コン協組は、卸商協組の組合員でない事業者に対し不当に生コンを供給しないものであって、これは、不公正な取引方法の1(旧指定)に該当し、また、正当な理由がないのに、生コン販売業者とこれに生コンを供給する者との取引を拘束する条件をつけて、当該販売業者と取引しているものであって、これは、不公正な取引方法の8(旧指定)に該当し、それぞれ、独占禁止法第19条の規定に違反するものである。」
(2) 全国農業協同組合連合会事件−公取委勧告審決 平成2年2月20日
「全農は、不当に、指定メーカーに、段ボール箱製造業者に対する青果物用シートの供給を拒絶させ、又は段ボール原紙製造業者からの段ボール中芯原紙の購入数量を制限させているもの」であり、不公正な取引方法の一般指定の第2項に該当する。
5. 判決、審判例
岡山県南生コン協同組合事件−公取委 昭和56年2月18日勧告審決
「岡山県南生コンクリート協同組合は、岡山県南生コン卸商協同組合の組合員でない事業者に対し不当に生コンを供給しないものであって、これは、不公正な取引方法(昭和28年公正取引委員会告示第11号)の1に該当し、また、正当な理由がないのに、生コン販売業者とこれに生コンを供給する者との取引を拘束する条件をつけて、当該販売業者と取引しているものであって、これは、不公正な取引方法の8に該当し、それぞれ、独占禁止法第19条の規定に違反するものである。」
全国農業協同組合連合会事件−公取委平成2年2月20日勧告審決
「全国農業協同組合連合会は、不当に、「売買基本契約」を締結した主要なダンボール箱製造業者(指定メーカー)に、ダンボール箱製造業者に対する当該製品向けダンボールシート(青果物用シート)の供給を拒絶させ、又は段ボール原紙製造業者からの段ボール中芯原紙の購入数量を制限させているもの」であり、「指定メーカーと青果物用段ボール箱を取引するに当たり、指定メーカーの事業活動を不当に拘束する条件をつけて当該指定メーカーと取引しているもの」であり、「段ボール原紙を購入するに当たり、段ボール原紙製造業者の・・・事業活動を不当に拘束する条件をつけて当該段ボール原紙製造業者と取引しているものであり、これらは、いずれも不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)の第13項に該当し、・・・独占禁止法第19条の規定に違反するものである。」
この
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