建築紛争の特色
1. 建築紛争の態様
家屋の建築やビルの建設等にともなって生ずるトラブルは、実に様々な態様のものがあります。
紛争当事者としても、注文主である一般ユーザーと工務店や建設会社とのトラブル、建設会社同士のトラブル、建築にともなう近隣とのトラブル等があります。
また、そのトラブルの態様としても、建築の瑕疵が問題となる損害賠償請求や、請負者である建築会社から施主への建築請負代金の請求や、建設会社同士での請負代金の請求等色々の態様のものがあります。
このようなトラブルの中でも特によくみられるのは、建築の瑕疵を問題とするもの、追加・変更工事が問題となるもの、仕事の完成や出来高が問題となるもの、請負契約の成否やその内容が問題となるもの、設計監理が問題となるもの等があります。
そして、このような建築紛争には、不思議と共通の特徴が見受けられることが多くあり、これらを理解することが解決への手がかりとなることがあります。
2. 建築や建築紛争によくみられる特徴
(1) 多数当事者性
建築に関しては多数の業者が関与しています。発注者と請負人との間で請負契約が締結され、その後に多数の建設業者が関与してきます。例えば、
しかも、例えばこの鉄骨工事一つをとっても、鉄骨についての製作図作成、現寸調査、発注、鋼材からの製作、工場での加工、塗装、運搬、現場での建方等の工程を各工事毎にふむことになります。
しかも、建築の瑕疵等が問題となるときは、どの過程でどのような瑕疵が、どのように発生したか等が問題となってくることがあります。
(2) 金額の多額性
建築請負代金は、建築される建築物に応じて数千万円から数十億円を超えるものも少くなく、その請負代金や損害賠償の請求額が巨額となることも多くあります。
(3) 建築の技術性・専門性
建築をめぐる技術は、近時極めて高度となり、又、専門化も進んでいます。建設業者のこの技術性や専門性と比較し、発注者は極めて乏しい理解しかない場合が多くあります。
この点は、建築訴訟においても、弁護士や裁判官が建築の専門的知識を有しないことを多々見受けるところです。
(4) 紛争の深刻化、複雑化
建築紛争でも顕著な瑕疵の問題にあっても、その瑕疵の有無や程度において、注文者と請負人において全く異なる理解をしていることが多く、そのために利害の対立が深刻化し感情的対立ともなり、紛争が多岐にわたり複雑化してゆくことを多く経験します。勿論その分、紛争は泥沼化し、その解決には多くの時間と費用を要することとなります。
(5) 証拠の欠如ないし乏しさ
建築紛争を解決する場合、特に訴訟においては証拠、その中でも書証とか物証が重要な意味を有してきます。
しかし、現実には、建築の瑕疵や追加・変更工事をめぐる紛争においては、口約束等が多く、明確な契約書や発注書、打合せ論議録等がないことや極めて不足していることが多く、その場合にはいわゆる水掛け論となってしまいます。
この
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