御器谷法律事務所

会社の解散と清算


 株式会社においては、債務超過でなくても、社長の死亡、後継者の不在、赤字等、残余財産があっても事業を廃止することがあります。
 そんな場合に利用されるのが、「会社の解散」と「会社の清算」手続です。
 なお、会社が債務超過の場合に利用する「特別清算」は、別項をご参照下さい。

第1、株式会社の解散
 株式会社の解散とは、会社としての法人格を消滅させることを一般的には意味しています。
 そして、この会社の解散の原因(会社法第471条)の主たるものとして、株主総会の決議があります。この解散の決議は、原則として、特別決議として(法第
309条2項11号)、株主の議決権の過半数が出席し(定足数)、出席株主の3分の2以上の賛成をもって決せられます。
 また、この株主総会においては、普通決議で清算人が選任されます。
 そして、株主総会議事録が作成され、解散と清算人の登記を申請することが必要です(法第926条、928条)。

第2、株式会社の清算
1. 清算の開始
 会社は解散の決議により、清算手続が開始します(法第475条)。
 清算会社は、現務の他新たな営業を行うことはできず、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまでは存続するものとみなされます(法第476条)。
2. 清算会社の機関としての清算人
(1) 清算人とは
 清算会社には、1人又は2人以上の清算人を置かなければならないとされています(法第477条)。
 清算人は、清算会社の業務を執行し(法第482号)、清算会社を代表します(法第483号)。
(2) 清算人の選任
 清算人は、一般的には、株主総会の普通決議により選任されます(法第478条)。
(3) 清算人の職務、権限、責任
 a)清算人の職務
 清算人は、現務の終了、債権の取立て及び債務の弁済、残余財産の分配を行うものとされています(法第481条)。
 清算人は、清算会社の業務を執行し(法第482条)、清算会社を代表します(法第483条)。
 b)清算人の責任
 清算人は、その任務を怠ったときは、清算会社に対して、その損害を賠償する責任を負います(法第486条)。
 清算人は、その職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったときは、第三者の損害を賠償する責任を負います(法第487条)。
(4) 財産目録、賃借対照表の作成、承認
a) 清算人は、その就任後遅滞なく、清算会社の財産の現況を調査し、財産目録と賃借対照表を作成し、これらを株主総会に提出しその承認を受け、且つ、本店所在地における清算結了登記までこれらを保存しなければなりません(法第492号)。
b) 清算会社は、各清算事務年度に係る賃借対照表と事務報告、附属明細書を作成し、これらを保存しなければなりません(法第494条)。
c) 監査役設置会社においては、賃借対照表と事務報告、附属明細書は、監査役の監査を受けなければならないものとされています(法第495条)。
d) 清算会社は、各清算事務年度の賃借対照表と事務報告、附属明細書を本店に備え置き、株主や債権者は、これらの閲覧と謄本の請求をできます(法第496条)。
e) 清算会社においては、清算人は、賃借対照表と事務報告を定時株主総会に提出し、その承認を受け、事務報告の内容を定時株主総会に報告しなければなりません(法第497条)。
(5) 債務の弁済
a) 清算会社は、遅滞なく、債権者に対し、2ヶ月以上の期間以内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、且つ、知れている債権者には各別にこれを催告しなければなりません(法第499条)。
b) 清算会社は、原則として、催告期間以内は、債務の弁済をすることができません(法第500条)。
c) 清算会社は、その債務を弁済した後でなければ、その財産を株主に分配することはできません(法第502条)。
(6) 残余財産の分配
 清算人は、残余財産があれば、株主に対して、その有する株式の数に応じて、一般的には金銭で分配をし、又、現物にて分配をすることも可能となりました(法第504条、第505条)。
(7) 清算事務の終了
 清算会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、決算報告を作成し、清算人は、決算報告を株主総会に提出し、その承認を受けなければなりません(法第 507条)。
 そして、清算人は、本店の所在地において、清算結了の登記の申請をしなければなりません(法第929条)。
(8) 帳簿資料の保存
 清算人は、その本店の所在地における清算終了の登記から10年間、清算会社の帳簿と事業及び清算に関する重要な資料を保存しなければなりません(法第508号)。

第3、株式会社の解散、清算手続の流れの概要

 この会社の解散と清算につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい
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