御器谷法律事務所

公共的入札ガイドライン


1. 公共的入札ガイドラインとは、
 公正取引委員会は、国、地方公共団体、特殊法人等が行う入札に際して入札談合が行われることを排除し、どのような行為が独占禁止法上問題となるかにつき「公共的な入札に係る事業者及び事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」(平成6年7月5日制定、平成18年1月4日改定)を公表しています。この指針を通常「公共的入札ガイドライン」と呼んでいます。
 この指針においては、4つの行為類型、つまり、「(1) 受注者の選定に関する行為」、「(2) 入札価格に関する行為」、「(3) 受注数量等に関する行為」、「(4) 情報の収集・提供、経営指導等」について、「原則として違反となるもの」=黒、「違反となる恐れがあるもの」=灰色、「原則として違反とならないもの」=白に分けて具体例を挙示しています。
 以下は、この公取委の指針の概要をまとめたものです。

2. 類型別の独占禁止法上問題となる行為
(1) 受注者の選定に関する行為
事業者が共同して又は事業者団体が、入札に係る受注予定者又は受注予定者の選定方法を決定すること。
受注予定者以外の入札参加者が、受注予定者等から入札価格に関する連絡・指示等を受けた上で、受注予定者が受注できるようにそれぞれの入札価格を設定すること。
事業者が共同して又は事業者団体が、受注予定者に他の入札参加者等に対して業務発注、金銭支払等の利益供与をさせること。
事業者が共同して又は事業者団体が、入札に参加を予定する事業者に対して、受注予定者の決定に参加するよう若しくは決定の内容に従うよう要請、強要等を行い、決定に参加・協力しない事業者に対して取引拒絶、事業者間若しくは事業者団体の内部における差別的な取扱い等により入札への参加を妨害し、又は決定の内容に従わないで入札した事業者に対して、取引拒絶、事業者間若しくは事業者団体の内部における差別的な取扱い、金銭の支払等の不利益を課すこと。
灰色
入札に参加しようとする事業者が、当該入札について有する受注意欲、営業活動実績、対象物件に関連した受注実績等受注予定者の選定につながる情報について、それら事業者間で情報交換を行い、又はそれら事業者を構成員とする事業者団体がかかる情報について、収集・提供し、若しくはそれら事業者間の情報交換を促進すること。
事業者が共同して又は事業者団体が、過去の入札における個々の事業者の指名回数、受注実績等に関する情報を、今後の入札の受注予定者選定の優先順位に係る目安となるような形で整理し、入札に参加しようとする事業者に提供すること。
事業者間で又は事業者団体が各事業者に対して、指名競争入札に係る指名を受けたことや入札への参加の予定について報告を求めること。
共同企業体により入札に参加しようとする事業者が、単体又は他の共同企業体により当該入札に参加しようとする事業者との間で、当該入札への参加のための共同企業体の結成に係る事業者の組合せに関して、情報交換を行い、又は事業者団体が、かかる情報交換を促進すること。
事業者団体が、構成事業者から、入札による受注に応じた特別会費、賦課金等を徴収すること。
事業者が、指名競争入札において、指名以前の段階で、制度上定められた発注者からの要請に応じて、他の事業者や事業者団体と連絡・調整等を行うことなく、自らの入札参加への意欲、技術情報(類似業務の実績、技術者の内容、当該発注業務の遂行計画等)等を発注者に対して説明すること。
指名競争入札において、指名を受けた事業者が、他の事業者や事業者団体と連絡・調整等を行うことやそれらから要請等を受けることなく、自己の事業経営上の判断により、入札を辞退すること。

(2) 入札価格に関する行為
事業者が共同して又は事業者団体が、入札に係る最低入札価格等を決定すること。
入札に参加しようとする事業者が、当該入札での入札価格に関する情報について、それら事業者間で情報交換を行い、又はそれら事業者を構成員とする事業者団体が、かかる情報について、収集・提供し、若しくはそれら事業者間の情報交換を促進すること。
灰色
入札の対象となる商品又は役務の価格水準や価格動向に関する情報について、発注者からその予定価格の積算に資するための情報提供の依頼を受ける等して、当該入札に参加しようとする事業者間で情報交換を行い、又は事業者団体が、それら事業者との間で情報を収集・提供し、若しくはそれら事業者間の情報交換を促進すること。
事業者が共同して又は事業者団体が、発注者が公表した積算基準について調査すること(事業者間に積算金額についての共通の目安を与えるようなことのないものに限る)。
中小企業者の団体が、構成事業者の入札一般に係る積算能力の向上に資するため、標準的な費用項目を掲げた積算方法を作成し、又は所要資材等の標準的な数量や作業量を示すこと(事業者間に積算金額についての共通の目安を与えるようなことのないものに限る)。

(3) 受注数量等に関する行為
事業者が共同して又は事業者団体が、入札に係る受注の数量、割合等を決定すること。
事業者団体が、関連する官公需の全般的な動向の把握のために、構成事業者から官公需の受注実績に関して個別の受注に係る情報を含まない概括的な情報を任意に徴し、又は発注者が発注実績若しくは今後の発注予定に関して公表した情報を収集し、関連する官公需全般に係る受注実績又は今後の需要見通しについて個々の事業者に係る実績又は見通しを示すことなく概括的に取りまとめて公表すること。

(4) 情報の収集・提供、経営指導等
入札に参加しようとする事業者が、当該入札について有する受注意欲、営業活動実績、対象物件に関連した受注実績等受注予定者の選定につながる情報について、それら事業者間で情報交換を行い、又はそれら事業者を構成員とする事業者団体が、かかる情報について、収集・提供し、若しくはそれら事業者間の情報交換を促進すること。
事業者が共同して又は事業者団体が、過去の入札における個々の事業者の指名回数、受注実績等に関する情報を、今後の入札の受注予定者選定の優先順位に係る目安となるような形で整理し、入札に参加しようとする事業者に提供すること。
入札に参加しようとする事業者が、当該入札での入札価格に関する情報について、それら事業者間で情報交換を行い、又はそれら事業者を構成員とする事業者団体が、かかる情報について、収集・提供し、若しくはそれら事業者間の情報交換を促進すること。
灰色
事業者間で又は事業者団体が、各事業者に対して、指名競争入札に係る指名を受けたことや入札への参加の予定について報告を求めること。
共同企業体により入札に参加しようとする事業者が、単体又は他の共同企業体により当該入札に参加しようとする事業者との間で、当該入札への参加のための共同企業体の構成に係る事業者の組合せに関して、情報交換を行い、又は事業者団体が、かかる情報交換を促進すること。
入札の対象となる商品又は役務の価格水準や価格動向に関する情報について、発注者からその予定価格の積算に資するための情報提供の依頼を受ける等して、当該入札に参加しようとする事業者間で情報交換を行い、又は事業者団体が、それら事業者との間で情報を収集・提供し、若しくはそれら事業者間の情報交換を促進すること。
事業者団体が、官公庁や民間の調査機関等が公表した入札に関する一般的な情報(発注者の入札に係る過去の実績又は今後の予定に関する情報、入札参加者の資格要件又は指名基準に関する情報、労務賃金、資材、原材料等に係る物価動向に関する客観的な調査結果情報等)を収集・提供すること。
事業者団体が、関連する官公需の全般的な動向の把握のために、構成事業者から官公需の受注実績に関して個別の受注に係る情報を含まない概括的な情報を任意に徴し、又は発注者が発注実績若しくは今後の発注予定に関して公表した情報を収集し、関連する官公需全般に係る受注実績又は今後の需要見通しについて個々の事業者に係る実績又は見通しを示すことなく概括的に取りまとめて公表すること。
事業者団体が、構成事業者から、財務指標、従業員数等経営状況に関する情報で通常秘密とされていない事項について、情報を任意に徴し、これに基づいて平均的な経営指標を作成し、提供すること。
なお、構成事業者がこれらの情報を公表している場合、あるいは公表について構成事業者の事前の了解を得ている場合は、構成事業者別にこれらの情報を取りまとめて公表することもできる。
入札に参加しようとする事業者を構成員とする中小企業者の団体が、構成事業者の情報収集能力の不足を補うため、当該入札に関する対象物件の内容、必要な技術力の程度等について発注者が公表した情報を収集・提供すること(受注予定者の決定につながるようなことを含まないものに限る)。
中小企業者の団体が、入札に参加するための経常的な共同企業体としての資格申請を構成事業者が行おうとする場合に、その求めに応じて、共同企業体の構成員の組合せに係る過去の客観的な事実に関する情報を提供すること。
事業者が、入札に参加するための共同企業体の結成に際して、相手方となる可能性のある事業者との間で、個別に、相手方の選定のために必要な情報を徴し、又は共同企業体の結成に係る具体的な条件に関して、意見を交換し、これを設定すること(受注予定者の決定につながるようなことを含まないものに限る)。
事業者が、指名競争入札において、指名以前の段階で、制度上定められた発注者からの要請に応じて、他の事業者や事業者団体と連絡・調整等を行うことなく、自らの入札参加への意欲、技術情報(類似業務の実績、技術者の内容、当該発注業務の遂行計画等)等を発注者に対して説明すること。
中小企業者の団体が、構成事業者の入札一般に係る積算能力の向上に資するため、標準的な費用項目を掲げた積算方法を作成し、又は所要資材等の標準的な数量や作業量を示すこと(事業者間に積算金額についての共通の目安を与えるようなことのないものに限る)。
中小企業者の団体が、経常的な共同企業体の運営に関する一般的な指針(構成員の分担業務実施のための必要経費の分配方法、共通費用の分担方法等)を作成し、構成事業者に提供すること。
事業者が共同して又は事業者団体が、発注者が公表した積算基準について調査すること(事業者間に積算金額についての共通の目安を与えるようなことのないものに限る)。
事業者が共同して又は事業者団体が、本指針の内容にのっとって、入札に係る事業者及び事業者団体の活動と独占禁止法との関係について、一般的な知識の普及活動を行うこと。
事業者が共同して又は事業者団体が、入札による契約について、その確実な履行、下請取引の適正化や操業の安全の確保の必要性に関する一般的な啓蒙を行い、又はそのために技術の動向や入札制度若しくは関係法令の内容について調査し、一般的な知識の普及活動を行うこと(特定の入札に係る情報交換、指導、要請等の活動につながることのないものに限る)。
事業者が共同して又は事業者団体が、入札制度一般の内容や運用に関して、国、地方公共団体等に対して、要望又は意見の表明を行うこと。
事業者が、発注者に対して、特定の入札に関係なく、技術に関する情報の一般的な説明を行うこと。

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