御器谷法律事務所

談合の防止策


 最近の報道等によると、建設業界には、各社に談合担当者がおり、官公庁からの天下りの顧問や役員が情報を入手し、さらに官公庁が中心となる官製談合が後を絶ちません。平成17年には鋼鉄製橋梁談合事件、新東京国際空港公団の電気設備工事談合事件、平成18年にも防衛施設庁発注の電機設備工事入札談合事件、汚泥施設入札談合事件、水門工事入札談合事件等が次々と摘発されています。
 勿論このような談合事件は、独禁法上はカルテルとして排除措置や刑罰の対象となり、又、刑法上は談合罪等として処罰されるのみならず、このような入札談合による高値落札は最終的には税金の無駄使いとして国民の負担となり、さらに公共事業における政界や官僚と建設業界等との癒着が指摘されているところです。
 談合を防止する方法としては、入札制度をどのようなものとするかというシステムの問題、そして、企業として如何に談合をなくするかという企業法務に関する問題があります。

1. 談合を防止する制度のあり方
(1) 一般競争入札の導入
まず考えられるのが入札制度の改革です。従来より行われている比較的少数の業者における指名競争入札制度から、多数の業者が参加できる一般競争入札制度の導入が考えられます。その際には予定価格の決め方や総合評価方式等が問題となるでしょう。
(2) 天下りの禁止
談合に発注の官公庁職員が深く関与する官製談合のみならず、建設業界等には発注官公庁から多数のOBが天下りをし、このOBが官公庁の後輩から情報を入手し、これが談合の大きな温床となっています。従って、発注官公庁のOBが業界に天下りする流れを一定のルールを設けて禁止することが必要と考えられます。
(3) 罰則の強化
談合に関する日本とアメリカの罰則とその運用には大きな違いがあります。日本では罰則と言っても殆どが執行猶予付き判決となっていますが、アメリカでは1年前後位の禁固刑の実刑が課せられることも多いようです。
法人への罰金についても日本とアメリカでは大きな違いがあります。
(4) その他のペナルティー
談合企業に対する発注官公庁からの損害賠償請求もようやく最近活発化しつつありますが、アメリカの3倍額の損害賠償請求には遠く及ばないようです。また、官公庁からの指名停止も延長されているようです。いずれにしても談合を行った企業に対してやり得を許さない、いわゆるカルテル・リスクを明確にすべきものと考えられます。

2. 企業が行うべき談合防止策
(1) 経営トップの強い意思の表明とその実行。
先ず、企業の経営トップが談合を決して行わないとの方針を明確に決定し、これを全社員及び下請、業界等に明確に表明し、且つ実行しなければなりません。そして、そのためには談合担当者をなくすべく配置転換や人事異動を活発化する必要があり、発注官公庁OBの天下りを受け入れない等の措置が必要となってくるでしょう。
(2) コンプライアンス体制の強化
官公庁からの公共事業の入札の多い会社では談合を防止するための入札談合禁止コンプライアンス・プログラム等の作成及び実施が必要不可欠となってくるでしょう。
談合が決して会社のためのものではなく、談合により企業そのものの存続すら危うくなってくることがあることを肝に銘ずべきでしょう。
(3) 内部告発体制の整備
談合が企業にとって違法な事実であるにもかかわらず、社員が談合情報に接したときこれを速やかに通報するシステムを企業は構築すべき時代となっています。
ウィッスル・ブロアーは保護すべきであり、この点別稿の「内部告発」の公益通報者保護法をご参照下さい。
(4) リーニエンシー
談合を行っても、これを自ら申告することも談合を防止するための一方法であり、独禁法も平成18年1月から課徴金減免制度(リーニエンシー)を設け、その施行から3ヶ月余の間にすでにその申告があったと報道されています。

 この談合の防止策につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい
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