御器谷法律事務所

《 著作権 》

【目次】
□ 著作権とは?
□ 著作権の内容
□ 著作物の利用が認められる場合
□ 著作権侵害に対する法的保護
□ 罰則


□ 著作権とは?
著作権法は、著作物や実演、レコード、放送等に関して、著作者の権利及びこれに隣接する権利を定めることで、著作者等の権利の保護を図り、文化の発展に寄与することを目的とする法律です(§1)。
著作権法における「著作物」については、「a)思想又は感情をb)創作的にc)表現したものであって、d)文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」と定義されています(§2Ⅰ(1))。
この定義から、単なるデータや、アイディア、工業製品、事実の伝達に過ぎない時事の報道等については、著作物に該当しないことになります。
また、法例や裁判所の判決については、著作権が及ばないと定められています(§13)。
著作物の種類については、著作権法上、次のように定められています(§10)。
(1) 小説、論文等の言語の著作物
(2) 音楽の著作物
(3) 舞踏・無言劇の著作物
(4) 絵画、版画、彫刻等の美術の著作物
(5) 建築の著作物
(6) 地図や図面等の図形の著作物
(7) 映画の著作物
(8) 写真の著作物
(9) プログラムの著作物

著作権は、著作物が創作されたときに申請や登録等の特段の手続を要さずに発生します(無方式主義)。
また、著作権は、原則として、創作の時から著作者の死後50年間保護されます(§51)。

□ 著作権の内容
「著作権」は様々な権利が集合して構成されています。
「著作権」は、大別して、「著作権」と「著作隣接権」に分類され、前者はさらに「著作者人格権」と「財産権」に分類されます。
1 著作権
(1) 著作者人格権
著作者人格権は、著作者の創作者としての感情を保護する権利であり、一身専属性を有します(相続や譲渡の対象となりません)。
 1)公表権(§18)
著作物で公表されていないものを公衆に提供し、提示する権利(無断で公表されない権利)
 2)氏名表示権(§19)
著作物の公衆への提供・提示に際し、著作者の実名・変名を著作権者として表示し、あるいは著作者名を表示しないこととする権利(但し、公正な慣行に反しない限り、省略できる場合があります)
 3)同一性保持権(§20)
著作物とその題号の同一性を保持し、著作者の意に反してこれらの変更、切除等の改変を受けないという権利
(2)財産権
 1)複製権(コピーする権利、§21)
複写、写真撮影、録音・録画等、著作物を形のある物にコピーする権利
 2)上演・演奏権、上映権、公衆送信権、公の伝達権(公衆送信された著作物を受信装置を使って公に伝達することに関する権利)、口述権、展示権等
(コピーを使わずに著作物を公衆に伝えることに関する権利、§22-25)
※「公衆」とは「不特定の人」又は「特定多数の人」を意味します。「不特定多数」である必要はありません。
 3)譲渡権、貸与権、頒布権(§26-26の3)
コピーを作成することにより、公衆に伝えることに関する権利
 4)二次的著作物の創作権・利用権(§27、28)
著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化等翻案して新たに作られた著作物(二次的著作物)についても、著作物としての保護を受けることになります(二次的著作物については、原著作者の了解が必要です)。

2 著作隣接権(§89以下)
著作隣接権とは、著作物等を「伝達する者」に与えられる権利です。
著作物を「伝達する者」とは、実演家(歌手・俳優など)、レコード制作者、放送事業者などを指します。
具体的な権利の内容は、許諾権(録音・録画権、放送権、送信可能化権(実演をサーバーへアップロードする権利)、複製権、譲渡権、貸与権など)、報酬請求権等となっており、伝達する主体によって権利の内容が異なります。

□ 著作権の制限規定-著作物等が利用できる場合
次に掲げる場合は、権利者の了解を得ないで、著作物を利用することができることと定められています。
但し、財産権が制限され著作物等が利用できると定められている場合でも、 著作者人格権までもが制限されているわけではないことに注意が必要です。
1 私的利用のためのコピー(§30)
著作物を、個人的に利用する場合など限られた範囲において使用するときには、その使用者に複製権(コピーする権利)が認められる場合があります。
2 引用(§32)
公表された著作物につき、公正な慣行に合致し、報道、批評等引用の目的上正当な範囲で行われる場合には、その著作物を引用して利用することができます。
3 その他
教育機関や図書館等におけるコピー等(§31-36)、視覚障害者や聴覚障害者のためのコピー等(§37)、非営利・無料の場合の上演・演奏・上映等(§38)、時事の事件を報道する場合等(§40以下)その他の場合についても、一定の要件を満たせば、利用が認められることがあります。

□ 著作権侵害に対する法的保護
著作者等は、その著作権等を侵害する者あるいは侵害するおそれのある者に対して、侵害の停止又は予防を請求することができ(差止請求権)、また、侵害行為を組成したもの等の廃棄など侵害の停止又は予防に必要な措置を請求することができます(§112、116)。
さらに、著作権の侵害を受けた場合には、その損害につき、民法の不法行為の規定に基づいて、損害賠償請求をすることができます(民法709条)。
著作権侵害による「損害」の算定は、必ずしも容易ではない場合も多く、著作権法は、次のような規定を設け、侵害行為の立証及び被害の回復が少しでも容易になるような方策を施しています。
・侵害行為により相手方が利益を得ているときは、その利益の額を損害額と推定する(§114)
・裁判所は、著作権等侵害訴訟において、当事者に対し、侵害行為の存否及び当該侵害による損害の計算をするために必要な書類の提出を求めることができる(§114の2)
・著作権等侵害訴訟において損害額を立証するために必要な事項を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、相当な損害額を認定することができる(§114の4)
著作権の侵害を受けた場合には、権利の侵害により、利益を受けた者に対して、その利益に対して、不当利得返還請求をすることも可能です。
また、著作者は、著作者人格権を侵害した者に対して、損害の賠償に代えて、又は損害の賠償とともに、著作者であることを確保し、又は訂正その他著作者の名誉・声望を回復するために適当な措置を請求することができます(115条、116条)。
事案によっては、警察・検察に対する刑事告訴を検討することになります。

□ 罰則
1 著作者人格権、著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(§119Ⅰ)
…10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金(親告罪)
2 営利を目的として、公衆向けの自動複製機器を著作権、出版権又は著作隣接権の侵害となる著作物又は実演等の複製に使用させた者(§119Ⅱ)
…5年以下の懲役又は500万円以下の罰金(親告罪)
3 著作者の死亡後、著作者が生存していたのであれば有していた著作者人格権を侵害する行為(§120、60)、技術的保護手段の回避を行うことをもっぱらその機能とする装置等(コピーガードキャンセラーなど)を公衆に譲渡等する行為等、営利を目的として所定の著作者人格権、著作権又は著作隣接権を侵害する行為と見なされる行為を行った者(§120の2)、著作者名を偽って著作物を頒布する行為等(§121)についても、それぞれ罰則が定められています。
・ 両罰規定
法人の代表者や従業員あるいは人の代理人が上記1,2の規定に違反した場合は、その行為者を罰するほかその法人あるいはその人についても罰金刑が科されます(両罰規定、例えば上記1の罪の場合はその法人につき3億円以下の罰金刑)。

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