独禁法−コンプライアンス・プログラム
1. 独禁法コンプライアンス・プログラムとは、
一般的には民間の企業が独占禁止法を遵守するために社内的に作成する規呈ないし計画を指します。具体的には、社長の独禁法遵守の基本方針の表明、独禁法の一般的説明、各担当部署の具体的行動基準(マニュアル)、法遵守の責任部署の設置、法相談体制の構築等を内容とする規定ないし計画を意味します。
現在相当の数の上場企業を中心としてこの独禁法コンプライアンス・プログラムが策定され実施されていますが、未だ作成されていない企業も多く、又、作成されてはいるものの実効性を発揮していないものも一部には見受けられます。
2. 独禁法コンプライアンス・プログラムは何故必要か?
独禁法違反事件で数の多いカルテルや入札談合を企業が行うと、公取委からは排除措置を命じられ、課徴金が課され、被害者からは損害賠償を請求され、さらには刑法上の談合罪に処せられることもあり、指名停止措置が課されることもあります。さらに社員の志気低下が懸念され、何よりも企業の社会的信用を大きく失墜させます。
特に現在は独禁法のエンフォースメントの強化がさけばれ、企業のグローバル化にともなって国際的カルテルも現実の問題となっています。
このような独禁法違反にともなう具体的な企業や社員の損害やペナルティーを事前に防止するために、企業のリスク・マネージメントの1つとして、この独禁法コンプライアンス・プログラムの策定とその実施が強く求められてきています。
3. 独禁法コンプライアンス・プログラムの具体的内容
| (1) |
独禁法コンプライアンス・プログラムを作成するには、それが実効性のある実務的なものでなければなりません。そのために事前に企業がおかれている業界の取引の実体、取引慣行、独禁法違反事例、企業の業界における地位や位置づけ(シェア等)、顧客との取引内容、同業他社との関係、下請との取引関係、物やお金の流れ、企業内各部署の役割と責任等につき詳細なリサーチを行い、企業と独禁法の関係につき綿密な検討を行います。 |
| (2) |
具体的内容としては、各業界や企業において様々なものがありますが、例えば次のような内容が一例として考えられます。 |
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| 1) 社長ないし企業トップによる独禁法遵守の経営方針の意思表明 |
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独禁法コンプライアンス・プログラムが企業の存続にとって必要不可欠なものであることを会社の経営方針として意思表明し、これを遵守することの必要性を明確にします。 |
| 2) 独禁法とは何か、を説明 |
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独禁法は一般の社員にとっては未だ馴染みの薄い法律である面もありますので、役員や一般の社員にも分り易く独禁法の目的や規制の対象となる行為(私的独占、カルテル、不公正な取引方法)を中心として独禁法の一般的解説を行います。
そのうえで独禁法に違反したときの課徴金、損害賠償請求、差止請求、談合罪、刑事告発、入札への指名停止等のペナルティーを説明し、独禁法遵守の必要性を説明します。 |
| 3) 独禁法遵守のための具体的行動基準(マニュアル) |
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役員や社員が独禁法に違反しないためには、どのような行動をしてはならないか、又は、どのような行動をすべきか、を具体的な行動基準として記載するものであり、一読して分りやすい「マニュアル」として作成される部分です。
この具体的行動基準の記載の仕方としては、各企業において工夫しているものが多く、例えば「営業マンのべからず集」、「下請担当者の行動指針」、「独禁法遵守Q&A」、「マンガで読む独禁法遵守」等様々のものが考えられます。
要は企業の各部署において考えられる独禁法問題に具体的に対処できる分りやすいマニュアルを作成することです。
建設業等においては、特に入札談合が問題となることが多くありますので、入札談合に参加する際に行ってはならない行為を具体的に明示するとか、疑わしい行動については誰と相談するとか、罰則をどうするか等が定められたものがあります。その際には公取委が公表している公共入札ガイドライン等が参考となります。
流通業等においては、特に「不公正な取引方法」が問題となることが多くありますので、百貨店やスーパー等の業界を対象とした「不公正な取引方法」の特殊指定が問題となることもあり、又、公取委が公表している流通・取引慣行ガイドライン等を参考にして、安売り、抱き合わせ販売等日々行われる取引において許される取引と許されない取引を行動基準として定められてゆくものがあります。 |
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4. 具体的実行手続
(1) 独禁法コンプライアンス・プログラムを作成したときは、これを広く社内に周知徹底させる必要があります。社員向けのハンドブックに掲載し、社内において研修会を開催し、さらに各部署毎でミーティングを開催する等の工夫が有益でしょう。
(2) 独禁法コンプライアンス・プログラムを作成しこれを実行するには、その担当部署を定め実施の責任を明確化すべきです。一般的には社内の総務部や法務部、法規室、コンプライアンス部等が担当し、毎年定期的に改訂を行ない、独禁法遵守の相談体制を築き、その実効性を確保すべき努力が求められるでしょう。
独禁法コンプライアンス・プログラムの作成及びその実施については、遠慮なく
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