御器谷法律事務所
新 会 社 法

1. 訴 訟

(1) 新株発行の無効の訴え等の提訴期間の延長
ア 商法
新株発行無効の訴え等の提訴期間は、全ての株式会社において6か月となっています。
イ 新会社法
株式譲渡制限会社については、新株発行の無効の訴え等の提訴期間を1年に延長(法828条1項2号、3号、4号等)
ウ 改正の理由
株式譲渡制限会社において、株主総会が開かれず、新株発行された場合には、現に株主総会が開催されるまでは株主が新株発行の事実を知る機会は乏しく、株主がその事実を知らぬ間に6か月の提訴期間を徒過してしまう可能性があるため。

(2) 新株発行、自己株式処分及び新株予約権発行の不存在確認の訴えの新設

ア 商法
新株発行の不存在の確認の訴えについては商法上明文の規定はありませんが、判例ではこのような訴えも認められています。
イ 新会社法
法829条において、新株発行の不存在の確認の訴えについて明文化するとともに、これと合わせて自己株式の処分及び新株予約権の発行についてもその不存在の確認の訴えが可能あることを明らかにしています。

(3) 株主代表訴訟の提起の制限
ア 商法
株主代表訴訟の訴えするための要件に関する特別の規定はありません。
イ 新会社法
当該訴えが、当該株主もしくは第三者の不正な利益を図り、または当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合には、株主は提訴請求することができないと規定されました(法847条1項ただし書)。
ウ 改正の理由
従前、訴権の濫用とされていたものの一部について、明示的に規定したものです。

(4) 責任追及等の訴訟への参加
ア 判例
株主代表訴訟において、株主または会社が民事訴訟法42条による補助参加をすることは可能ですが、「訴訟の結果について利害関係を有する第三者」という要件があります。
判例は、取締役の意思決定が違法であるとして取締役に対し提起された株主代表訴訟において、株式会社は、特段の事情がない限り取締役を補助するため訴訟に参加することが許されると判示しましたが、「特段の事情」がある場合とはどのような場合なのか明らかではありません。
イ 新会社法
株主や会社が、民事訴訟法42条に規定する「利害関係」を有するか否かにかかわらず、責任追及等の訴えにおいて補助参加できることを明らかにしました(法849条1項本文)。
ウ 改正の理由
会社が訴訟の結果について利害関係を有しないことはほとんど考えられませんし、会社は、原告が勝訴した場合には、原告である株主から費用の支払請求を受ける立場にあるので訴訟の運営についても重大な利害関係を有するところ、補助参加の可否について争いが生ずると裁判の迅速性や訴訟経済の点から望ましくないため。

(5) 持分会社における責任追及の制度
新会社法
持分会社の社員は、当該持分会社の業務を執行することができ、かつ、会社を代表することができるので、社員自らが会社を代表して、他の責任を追及することになります。

(6) 商事非訟事件の手続
ア 非訟事件手続法
非訟事件手続法第三編に事件の種別ごとに管轄及び疎明すべき事由等が規定されています。
イ 新会社法
事件の種別ではなく、管轄及び事由の疎明等、手続の種別ごとに整理をした規定を会社法第868条以下に置き、管轄及び事由の疎明等について事件の種別間の整合性を図っています。

この新会社法につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい


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