御器谷法律事務所

新 会 社 法

1. 設 立


(1)最低資本金制度の廃止
株式会社の設立に際して払い込むべき金銭等の価額についての規制がなくなった。よって、資本金1円でも株式会社が設立できるようになった。
(2)設立手続
募集設立と発起設立の2種類。
発起設立においては出資金の払い込みの証明手段が銀行等の残高証明等でも足りるものとされた。なお、募集設立においては払込金保管証明制度が維持された(64条)。
(3)設立時の定款記載事項の変更
株式会社の設立に際して発行する株式の総数→任意的記載事項に変更
株式会社の設立に際して出資すべき額又はその下限額→絶対的記載事項(27条4号)
(4)公告をする方法
任意的記載事項になった。
(5)現物出資・財産引受
少額特例:会社設立時における価額の総額が「資本金の5分の1」以上の財産を現物出資や財産引受の目的とする場合であっても、その価額の総額が500万円を超えない場合には、検査役の調査は不要(33条10項1号)。
(6)事後設立
検査役の調査制度がすべて廃止。
(7)設立無効の訴え
会社の設立に無効原因があったとしても、その無効は訴えによらなければ主張できない(828条1項1号)。
会社法では、株式会社における監査役の設置が選択的となったことから、監査役は監査役設置会社に限って提訴権者となることができることとなった。また、清算中の会社であっても設立無効の訴えが認められることから、清算事務を行う清算人にも提訴権を認めた(828条2項1号)。


2. 株 式

(1)株式の譲渡制限
普通株式に譲渡制限をつけるためには、株式の内容を変更するべく株主総会の決議により、定款変更が必要となる(107条2項1号、108条2項4号)。
決議要件は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の人数につき半数以上かつ議決権につき3分の2以上の多数の賛成が必要(309条3項1号)。
定款の定めにより株式の種類毎に譲渡制限をもうけることができる(108条1項4号)。
承認機関については、取締役会が設置されている会社では取締役会、それ以外の会社では株主総会、定款の定めにより他の機関とすることが可能(139条1項)。
(2)株主名簿
名義書換請求手続きの明文化(133条)
自己株式取得、自己株式処分の場合に株主名簿の記載事項を変更しなければならなくなった(132条2号、3号)
名義書換代理人が廃止→株主名簿管理人:名義書換業務だけでなく名簿の作成、備置も行うこととなった(123条)。
基準日後に株式を取得したものの全部または一部を議決権を行使することができるものと定められる(124条4項)。但し、株主平等に配慮必要。
(3)取得条項付株式
取得条項付株式とは、株式会社が、株主の同意なしに一定の事由が生じたことを条件として株主の有する株式を取得することができる内容の株式をいう(2条19号)
取得の対価として社債、新株予約権、新株予約権付き社債、株式その他の財産を株主に交付することを定款で定めておくことができる(107条2項3号、108条2項6号)
(4)株式譲渡
自己株式の取得→定時総会による決議
いつでも株主総会の普通決議によって取得可能、すなわち臨時株主総会による決議によることも可能(156条1項)。
(5)株式分割
株式分割とはある種類の株式につき、一定の割合において一律にその数を増加させること(183条)。
株式無償割当とは、株主に対して、その有する株式の数に応じて一定の割合により新たに払い込みをさせないで、株式の発行または自己株式の交付をすること(185条)。
(6)新株予約権
従前は新株予約権の買取請求制度がなかったので、新株予約権者が存在している場合には、株式に譲渡制限の定めを設けることが禁止されていた。
→今回の改正で、新株予約権者保護の方法として、新株予約権の買い取り請求の制度を新設し、従前の株式に譲渡制限の定めをもうけることを禁止する規定を廃止した(118条)。
(7)端株制度の廃止
端株制度とは、1株に満たない端数を有するものに対し、議決権以外の一定の権利を与える制度→廃止
単位株制度とは、一定の数の株式をもって一単元の株式とし、一単元の株式の数に満たない株式については議決権を与えないものとする制度(189条)。
(8)新株発行
1) 株式譲渡制限会社について、有利発行の手続きと第三者割当の手続きを一体化した(199条,200条)。
2) 株式会社が払い込み期日に代えて払い込み期間を定めることができるようにし、払込期間中に払込をしたものは払込日から株主になるものとした(199条1項4号、209条2号)。
3) 現株式会社では株券を発行しないことを原則とし、定款に株券を発行する旨の定めのある株式会社のみが株券を発行しなければならないこととなった(214条)。

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