御器谷法律事務所

離婚の法律相談


Q20. 養育費ないし婚姻費用を取り決めたのですが、養育費や婚姻費用を支払ってもらえません。支払ってもらうために何か方法はないでしょうか。

A. 回答
1. 厚生労働省の調査によれば、2003年11月1日現在、離婚による母子世帯約97万8000世帯のうち約3分の2は養育費の額や支払い方法について取り決めておらず、特に協議離婚の場合は養育費の支払いを受けていない世帯が7割にものぼっています。このような事態を避けるために離婚時に養育費の定めをきちんとしておく必要があります。
 しかし、このように養育費の定めをしても支払われない場合はどうすればよいのでしょうか。

2. 履行確保手続
 家庭裁判所で決めた調停や審判などの取決めを守らない人に対して、それを守らせるための履行勧告という制度があります。相手方が取決めを守らないときには、家庭裁判所に対して履行勧告の申出をすると、家庭裁判所では、相手方に取決めを守るように説得したり、勧告したりします。ただし、義務者が勧告に応じない場合は支払を強制することはできません。

3. 強制執行
(1) まず、直接強制執行により、養育費を取り立てるという方法が考えられます。具体的には、相手の給料や役員報酬などの差押えを裁判所に申し立てることになります。従来は過去の滞納分しか差し押さえられず、滞るたびに強制執行を申し立てなければならなかったのですが、平成16年4月から、裁判所への1回の申立てで過去の滞納分のみならず将来分の養育費に関しても給料等を差し押さえることが可能になりました。差押え可能な給与の範囲も給与の4分の1から2分の1に引き上げられました。
(2) 次に、制裁金の支払を裁判所に命じてもらうという方法が考えられます。
 平成17年4月1日施行の改正民事執行法により、養育費を受け取る側の親が裁判所に申し立て、裁判所から養育費を支払う側の親の資力等を勘案した制裁金の支払いを命じてもらうことができるようになりました。
 この制裁金の支払いは強制執行の中でも「間接強制」という方法に当たります。「間接強制」とは、約束した支払いが履行されない場合に、一定の制裁金を支払うよう裁判所が命じて、履行を心理的に強制する制度です。直接的な強制執行と違って相手の財産まで把握する必要はなく、所在がわかっていれば申立てが可能です。
 前述のように将来の養育費分に関する直接強制は、債務者が給与所得者であるなど定期収入がない場合には適用できませんでしたが、間接強制は将来の6か月分の養育費の支払いの強制という範囲に限られますが、自営業者の場合にも適用可能です。
 ただし、この制裁金の制度を利用するには、養育費の支払義務を示す調停調書や公正証書が必要になります。

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