御器谷法律事務所

2. 非株主である弁護士の代理人出席の可否

 本件は、株主総会の受付において株主でない弁護士が代理人として当該株主総会に出席しようとしたとき、これを入場させ正当な代理人として出席させるのかどうかという問題であります。

(1) 裁判例

・東京地方裁判所昭和57年 1月26日判決
代理人の資格が総会荒らしの所為に出ることのない弁護士であることをもって議決権を有する株主に代理人を限定する定款規定の効力を否定すべき特別の事由ということはできない。

・神戸地方裁判所尼崎支部平成12年 3月28日判決
総会へ出席を委任されたものが弁護士であることからすれば、受任者である弁護士が本人たる株主の意図に反する行動をとることは通常考えられないから、株主総会を攪乱させる恐れがあるとは一般的には認め難いといえる。したがって、右申出を拒絶することは、本件総会がこの者の出席によって攪乱されるおそれがあるなどの特段の事由のないかぎり、合理的な理由による相当程度の制限ということはできない。

(2) 結 論

 現状においては、代理人資格を株主に限る定款の定めを忠実に適用し、株主総会においては、株主でない弁護士の代理人出席は拒否すべきなのではないかと考えられます。

理由:

1. 株主でない弁護士の出席を認めると、株主でない者が決議に参加したとしてかえって決議が取り消される恐れがあります。

2. 株主でない弁護士は代理人として入場させたが、他の代理人は、株主でないとの理由で拒絶した場合には、定款違反、株主平等の原則違反で決議取消の訴えを提起される可能性があります。

3. 代理人資格を株主に限る定款の定めは判例上「相当程度の制限」として有効となっている以上、特段に不都合、不正義となる場合を除いては勝手にその規定内容を縮小、変更すべきではないと考えられるところであります。

企業法務の法律相談へ

執務の方針| 弁護士のプロフィール| 取扱事件 | ご案内 顧問契約 |

弁護士費用 | 事務所案内図 | リンク| トップ