御器谷法律事務所

8. 平成16年度の最近の傾向と対策

1. 最近の傾向
(1) 株主総会の最近の傾向として顕著なものは、いわゆる総会屋が減少し、一般株主の積極な参加が目立っている点です。一般株主の出席及び質問が増加しています。
 この点は、株主総会にかかる所要時間が1時間から2時間くらいかかっている総会もありますが、2時間を越える総会は電力会社や銀行などの一部にみられるにとどまっています。
(2) 最近の株主総会においては度重なる商法改正をうけて自己株式買受等に関する定款の変更を決議事項とする総会が増えています。
(3) 一般株主の出席及び質問についてもごく一部ではありますが、マニアックな質問があったり、又は取引上のトラブルに関する質問等もあり、さらに一般株主からは株価動向に対する不満等の質問も見受けられます。
(4) 招集通知の発送が早くなる傾向があり、またいわゆる株主総会の集中日の分散化がはかられております。
(5) 株主総会においてはビジュアル化がより顕著となり、会社の業績等をグラフや表にし、これを総会においてプロジェクター等を使って説明し、またナレーションをつける総会を多く見受けるようになっています。
(6) 一部会社においては退職慰労金を廃止することに伴い、打切り支給等の決議も見受けられるところであります。
 さらには株主総会のIT化に伴ってインターネットからの投票等もできる会社が増えてきております。

2. 対策
(1) 一般株主の積極的参加及び発言を受けて、株主総会運営の対策上もかつて行われていたような総会屋対策の荒れる総会を想定する総会運営から一般株主の出席を前提とした「開かれた株主総会」が要請されてきています。
(2) この開かれた株主総会はIR型総会とも呼ばれ、一般株主からの質問に対しては取締役は懇切丁寧にこれに回答することが要請されてきていると思われます。
 ただし決議内容によっては、その決議内容に瑕疵を招くような総会運営は厳に慎まなければならなりません。具体的には議題と関係ない質問に対してはこれを回答する必要はなく、また、インサイダー情報や企業秘密に関する質問に対しては回答を拒否することが要請されてきます。
(3) 社員株主の参加については、一般株主からの一部反感も考えられ、この点については社員株主は議長の議事運営をスムースにする程度に拍手等で協力することは差し支えないものと考えられますが、余りに強引な運営に協力するということはこれは慎まなければならないものと考られます。
(4) 退職慰労金の決議に際しましては、一般株主からはその具体的な金額を回答する旨の質問も予想されるところでありますが、この点については判例の見解も踏まえて取締役会に白紙委任するのではないという旨を説明し、そのうえで会社内における退職慰労金規程の存在及びその具体的な退職慰労金を算出する際の具体的計算式等について分かりやすく説明することが要請されると考えられます。

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