刑 事 事 件 - 被害者の意見陳述
1. 被害者の意見陳述とは、
被害者やその遺族等が、被害についての現在の気持ち(被害感情)や事件についての意見を法廷で述べたいという希望を持つ場合に、被害者等がこのような気持ちや意見を裁判所に対して述べることができる制度のことをいいます。
被害者等の気持ちや意見を踏まえた上で裁判が行われていることをより明確にし、さらに、被告人に被害者などの気持ちなどを直接聞く機会を与えることで、被告人の反省も深めることが制度趣旨です。
この制度は、犯罪被害者保護のための法改正の一環として、平成12年5月に刑事訴訟法292条の2として新設されました。
条文上意見陳述できるのは、被害者又はその法定代理人(被害者が死亡した場合においてはその配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹)とされています。
2. 実務上の利用
(1) どのように行われるのか
被害者やその遺族等が事前に検察官に申出をし、検察官が意見を付して裁判所に通知することによって行われます。その後、裁判所が意見陳述を行うことを決定すると、申し出た者にそれを行う期日を通知します。そして、意見陳述を許可された者は、公判期日に証言台に立ち、裁判官に向かって、あらかじめ決められた時間の中で意見陳述を行うことになります。
(2) 一例として
当事務所で扱った業務上過失致死事件において、被害者等の意見陳述として遺族が法廷で意見陳述を行いました。この時、当事務所では効果的な意見陳述を行うために、遺族の方々と協議を重ねて読み上げる原稿を作り上げました。また、意見陳述を行う時間などを検察官と事前に協議をしました。その結果、充実した意見陳述にすることが出来ました。
(3) 被害者側の工夫等
慣れない法廷で、証言台に立って意見陳述することになるので、意見陳述を制限時間内に収めることはなかなか難しいものです。リハーサルを行い裁判官に被害者側の気持ちや意見を伝えることができるようにすることも方法のひとつです。
また、時間も限られており被害者側の気持ちを全て陳述することは出来ません。効率の良い意見陳述をするためには、法廷傍聴をしたり、訴訟記録の閲覧・謄写を行うなどして、事実関係や訴訟の経過について情報を得ておく必要もあります。
意見陳述の時間ですが、出来れば20分程度は時間がもらえるように検察官に要請したほうが良いでしょう。検察官に任せてしまうと、10分位という非常に短い時間に設定されてしまうこともあるようです。
以上のようなリハーサルや訴訟の経過の的確な把握、検察官との協議を被害者側だけで効率よく行うことはなかなか大変です。経験のある弁護士に間に入ってもらえば安心でしょう。
この
被害者の意見陳述につきましても、遠慮なく
当事務所にご相談下さい。