御器谷法律事務所

債権譲渡登記の改正
(債務者不特定の将来債権の譲渡登記が可能になりました)

1. 概要

 従来から、経済界より企業の資金調達の手段としての債権譲渡において、その譲渡債権の中に、債務者不特定の将来債権を含むものとすることの有用性、有益性が指摘されておりました。このような要請に基づいて、今般、債権譲渡特例法が改正され、企業(法人)が行う将来の債権については、債権譲渡登記の対象とすることが可能となりました。
 すなわち、登記については改正前の特例法では、債務者の氏名及び住所を登記事項として掲げておりました(債権譲渡規則6条1項2号)。よって、債務者不特定の債権については、その譲渡を登記することができませんでした。
これに対し、上記の要請から改正法では将来債権の譲渡に関する限り、債務者の氏名、住所等を記録する必要がないものとする改正がなされたものであります。
 また、施行日は平成17年10月頃といわれております。

2. 債権の特定方法
 債務者不特定の将来債権の譲渡等については、従来、債務者の氏名等の最も中心的な特定の基準とされていたと考えられますが、債務者不特定の将来債権については、債務者以外の基準によって特定するほかありません。
 この場合の基準としては、たとえば債務者となるべき者の範囲での特定が考えられますし、債権の発生時期での特定も考えられるでしょう。また、債権発生の原因となる契約ないし取引の種類での特定も可能だと思われます。
 しかしながら、具体的には、どのような事項が債務者不特定の将来債権の譲渡に関して、譲渡債権の特定に必要な事項とされるかは現段階(平成17年3月)では未だ明確にはなっておりません。

3. 債務者対抗要件
 債務者不特定の将来債権の譲渡について登記することによって第三者に対抗できたとしても、債務者が不特定なままでは登記事項証明書を交付して通知することもできないし、債務者の承諾もできないことになります。
 結局、債権譲受人が債権の譲り受けを債務者に対抗するには、債務者特定後にあらためて登記事項証明書の交付による通知または債務者の承諾という債務者対抗要件を具備することが必要になります。

4. まとめ
 このように債権譲渡特例法の改正により債権担保の手段として債務者不特定の将来債権の譲渡登記が可能になりました。今後、債権譲渡登記の幅が広がり債権担保の選択肢の一つとして活用されるものと考えられます。

 この債務者不特定の将来債権の譲渡登記につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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