御器谷法律事務所

司 法 が 変 わ る
平成13年11月

第1、 司法の現状

1. 裁判所、裁判官
(1)裁判官の人数 − 約 3,000人
   cf.)アメリカ−約 3万人
(2)民事事件の推移−破産事件が、この10年で急増
 (東京地裁H元年:824件→H11年約 1万件)
 (全国ではH12年の破産事件約14〜15万件)
(3)東京地裁民事部裁判官の担当事件−年間200〜300件
(4)民事事件処理の特徴(地裁)
 ・一般事件−争いない事件は、半年以内位(特に欠席判決は1回結審)争いあり→証拠調→判決:1〜2年位 
 ・和解が多い(2/3位)−準備手続で心証
 ・難件は長期化
  1 医療過誤事件−高度の専門知識、鑑定が難しい
  2 建設紛争−専門性高い、責任の有無、損害の判断難しい
  3 知的財産権−高度の専門性、ITや著作権の進展目ざましい
(5)刑事事件の内訳−覚せい剤取締法、道交法、業務上過失傷害、窃盗が圧倒的に多い
(6)刑事事件の一般的傾向
  1 圧倒的な有罪率
  2 自白事件=情状弁論多し−公判は1〜2、2〜3回位
  3 否認事件=罪体の争い−一般的には半年〜1年位
  4 外国人の犯罪が増加−出入国管理法、財産犯、凶悪犯
  5 例外−オウム事件(裁判所に金属探知器)、贈収賄等

2. 検察庁、検察官
(1) 検察官の人数−約2,300人(副検事が約1,000人)
(2) 刑事事件の推移−近年はほぼ横ばい(少年事件も)
(3) 有罪率の高さ→立件が慎重になる(公判維持)

3. 弁護士
(1)弁護士の人数 − 約1万8,000人
 cf.)アメリカ−約90万人
 東京には約8,500人(46%)−集中
 ゼロ・ワン地区−地方には弁護士過疎地
(2)1人弁護士事務所多し−地方では殆ど

第2、変化の兆し

1. 裁判所
(1) 民事訴訟法の改正(H10.1.1施行)
 準備書面、書証を事前FAX、準備手続(和解)中心、陳述書の多用、集中(?)証拠調←訴訟の迅速化
(2) 倒産処理の専門化、迅速化
 東京地裁民事20部=破産部→破産再生部による運用の強化
 ・少額破産管財、法人併存型−1〜2回の出頭、半年以内
 ・一般破産管財事件−1年以内を目処
 ・民事再生申立−本来中小企業を対象
(3) 東京地裁、大阪地裁−専門部を強化
 ・従来より−通常部の他に、人事、行政部、手形小切手部、商事部、保全部、労働部、破産部、執行部、調停部、交通部、知財部等あり
 ・最近
  破産部→破産再生部
  医療過誤、建築紛争→集中部を新設(H13.4)
  知財部−迅速化を強化、損害論も変化
  労働部−仮処分でSpeed Up
  保全部−仮差、仮処分
(4) 高裁−1回結審が増加
(5) 最高裁−上告受理の申立てによりしぼり

2. 検察庁
(1) 被害者、家族へ処分の結果が通知
(2) 検事に若干の女性(but約160人−6〜7%)

3. 弁護士
(1)挨拶状:「人権の擁護、社会正義の実現」→「迅速なリーガル・サービスの提供」
(2)弁護士像が変化:手弁当の国選弁護人→サービス業
(3)弁護士費用:「寿司屋の勘定」、「お布施」→報酬会規による説明と契約書作成
(4) H12.10  広告解禁 H.P.、車内広告、交通広告、電柱等
(5) 外資の参入−渉外、M&A、金融、不動産の証券化等
(6) 企業法務が人気−専門化(商事−株主代表訴訟、株主総会、ストックオプション、インサイダー取引、会社分割、金庫株解禁等)
(7) ローファーム化の若干の動き−100人の弁護士事務所

第3、明日の司法の青写真(司法改革の3本柱)

−「司法制度改革審議会意見書」(H13.6)より−
 ・21世紀の日本
事前規制 調整型社会
政治改革 行政改革など
後監視 救済型社会
        司法の役割が増大

1. 国民の期待に応える司法制度の構築(制度的基盤の整備)

<民事訴訟の改革>
(1) 民事裁判の充実、迅速化
 審理期間:20.5ヶ月→半減
 (計画審理、証拠収集)
(2) 知的財産、医事、建築、金融事件への対応強化
 専門委員制度の導入、鑑定制度の改善
(3) 知的財産事件−専門部を実質的「特許裁判所」へ
(4) 労働事件への対応強化−労働調停を導入
(5) 人事訴訟−地裁から家裁へ移管
 簡裁−事物管割(90万円)を拡大、少額訴訟(30万円)を引き下げ
(6) 行政に対する司法審査のあり方
(7) 民事執行−強化
(8) 裁判所へのアクセス拡充−提訴手数料の低額化、弁護士報酬の一部敗訴者負担、民事法律扶助の拡充
(9) ADR(裁判外紛争処理制度)の拡充、活性化

<刑事訴訟の改革>
(1) 国際捜査、司法共助の拡充、強化
(2) 公訴提起−検察審査会の決議に法的拘束力
(3) 被疑者への公的弁護制度の導入
(4) 刑事訴訟の充実、迅速化
 新らたな準備手続、公判の連日開廷
(5) 裁判員の導入

2. 司法制度を支える法曹の在り方の改革(人的基盤の拡充)
(1) 法曹人口の拡大
 ・ 司法試験合格者:500人→1,000人(現在)→1,500人(H16)→3,000人(H22)
 ・法曹人口:2万人(現在)→5万人(H30)
(2)法曹養成制度の改革
 ・法科大学院(ロースクール)−H16年4月〜、法曹養成に特化、実務と連携、7〜8割が司法試験合格、3年
 ・司法試験− 3回程度の受験制限
(3)弁護士制度の改革
 職業倫理、公益活動、公務就任、営業許可、法律相談センター、報酬の透明化、情報公開、法人化、総合事務所化、継続教育、専門性強化、国際化、弁護士会の在り方、隣接法律専門職の活用(司法書士、弁理士、税理士、ADR、ワンストップ・サービス)
(4)裁判官制度の改革
 判事補改革、弁護士任官、任命手続、人事制度、国民参加
(5)検察官制度の改革
 意識改革、研修、国民参加

3. 国民的基盤の確立(国民の司法参加)
(1)刑事訴訟への裁判員制度の導入
 ・裁判官と評議し、有罪・無罪の決定、量刑
 ・選挙人名簿から選任、出頭義務
 ・法定刑の重い重大犯罪を対象
(2) 民事司法−専門委員制度の導入、調停委員・司法委員・参与員制度の充実
(3)検察審査会の拡充
(4)裁判官の任命−民意を反映
(5) わかりやすい司法、司法教育、情報公開

○ H13年11月−司法制度改革推進法が成立

ご注意:本書での人数等の数字の記載は、その調査の日を異にするものがあり、概数、一部推測に基づくものがあります。

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