御器谷法律事務所

平成13年11月改正−平成14年4月1日より施行


1. 株式に関する改正
(1) 「新株予約権制度」の創設(従来のストックオプション制度の廃止)

  …商法280条の19以下
 新株予約権とは、これを有する者が株式会社に対し、新株発行(またはこれに代わる会社保有自己株式の移転)を請求できる権利です。新株予約権者は、あらかじめ決められている発行価額で新株を手に入れることができます。
 一方、従来あったストックオプションの制度は、付与の対象者を取締役又は使用人に限定し、付与できる株式数および権利行使期間などについても制限を課し、株主総会で対象者の氏名や株式数なども決定する必要がありました。
  しかし、新株予約権の制度は、付与できる対象者を取締役又は従業員以外にも拡大することが可能であり、発行に際しても、原則的に株主総会で株式の種類と数などを定めておけばよいことになりました。
 但し、株主以外の者に対して特に有利な条件をもって新株予約権を発行するには、一定の事項及び各新株予約権の最低発行価額(無償で発行するときは、その旨)につき、株主総会の特別決議を要することとされました。
 一方、譲渡制限会社においては、株主以外の者に対して新株予約権を発行すべきこと並びにその新株予約権の目的である株式の種類及び数につき株主総会の特別決議があるときを除いて、株主が新株予約権の引受権を有するものとされました。
(2) 種類株式の改正
「議決権制限株式」

 …商法222条 4項以下
 今回の改正で、議決権を行使することができる事項につき内容の異なる数種の株式を発行することができることになりました。
 改正前は、利益配当優先株式のみ議決権のない株式とすることが認められていましたが、今回の改正により
 a)利益配当についての普通株式を議決権のない株式とすること、
 b)決議事項の一部についてのみ議決権を与え、他については議決権を与えない株式とすることも認められることになりました。
 以上をあわせて議決権制限株式といい、これを種類株式の一つとして取り扱えることとなりました。
 また、改正前の無議決権株式は発行済株式総数の3分の1までしか発行できませんでしたが、今回の規制緩和で発行限度が拡大され、議決権制限株式(無議決権株式を含む)は、発行済株式総数の2分の1まで発行できることになりました。
「転換予約権付株式」
 …商法222条の 2
 従来、転換株式と呼ばれていたものです。強制転換条項付株式と区別をする必要が生じたため、名称が変更されました。
「強制転換条項付株式」
 …商法222条の 8
 株式会社が数種の株式を発行するときは、定款をもって、定款の定める事由が発生したときは会社がその発行したある種類の株式を他の種類の株式に転換することができる旨を定めることができることとされました。この場合には、定款をもって、転換により発行すべき株式の内容及び転換の条件を定めなければなりません。
(3)「譲渡制限会社における会社が発行する株式の総数に関する制限の廃止」
 …商法旧166条 2項ほか
 株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定款の定めがある株式会社においては、会社の設立に際して発行する株式の総数が会社の発行する株式の総数の4分の1を下ることができないという制限及び会社の発行する株式の総数を発行済株式総数の 4倍を超えて増加することができないという制限が廃止されました。これは、いわゆるベンチャー企業における迅速な資金調達を可能とすることを狙った改正といえます。

2. 会社関係書類の電子化等(IT総会)

(1) 株主総会における電子化

 …商法232条 2項、239条の 3ほか

 a)株主総会招集通知及び添付書類の電子化
 株主総会の招集通知やその添付書類(貸借対照表、損益計算書等)につき、電磁的方法(電子メール等)による発送が可能となりました。但し、株主が従来どおり書面での交付を請求したときは、会社はこれに応じなければなりません。
 b)電磁的方法による議決権の行使
 会社は、取締役会の決議をもって、株主総会に出席しない株主が電磁的方法(電子メール等)により議決権を行使することができる旨を定めることができることとされました。
 c)株主は、株主代表訴訟の請求、計算書類の閲覧・謄写請求等につき、書面による請求等に代えて、会社の承諾を得て、電磁的方法(電子メール等)による請求することができるようになりました。

(2) 「計算書類の公告に代わる電磁的方法による公開」
 …商法283条 5項
 会社は、取締役会の決議により、貸借対照表等の計算書類について、会社が定時株主総会における承認を得た後遅滞なく、電磁的方法(ホームページ等)による公告をすることができるようになりました。 
 この場合、株式会社は、その承認を得た日から 5年間、不特定多数の者がその提供を受けることができる状態に置くことが必要となります。

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