御器谷法律事務所

平成16年6月改正

1. 株券不発行制度の導入
・・・商法227条
 本改正前は、原則として株式会社は株券を発行しなくてはなりませんでした。しかし、株券の発行には印刷代や費用代などの経済的負担が大きく、また迅速かつ円滑な企業再編の障害になり、さらに譲渡制限会社では株券発行の必要性が乏しく現実には株券を発行していない会社が大半であるとのデータもあり、実務から株券不発行制度の導入を求める要望が出されていました。
 そこで、このような実務での要望を受け、本改正により、株式会社は、定款をもって株券を発行しない旨を定めることができるようになりました(このような会社を「株券廃止会社」といいます)。
 株券廃止会社においては株式の譲渡は当事者の意思表示だけで効力が発生し(商法227条2項は同法205条1項を適用しない)、株主名簿の名義書換が会社に対する対抗要件であると同時に第三者に対する対抗要件となります(商法206条の2第1項)。
 なお、上場・店頭登録会社などの株券保管振替制度を利用している会社は、改正商法施行後5年以内の政令で定める日において、一律に、株券不発行制度を採用する定款変更決議をしたものとみなされ、株券廃止会社となります(附則6条1項)。
 
2. 電子公告制度の導入
 従来、商法における法定公告の方法は、官報又は時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に限られていましたが、本改正により、「電子公告を公告の方法とする旨」の定款変更により、インターネットを利用した方法で法定公告を行うことができるようになります。
 電子公告を利用することによって、会社は、公告の掲載コスト削減ができ、また、掲載スペースのワク取り等の事前準備が不要となることで機動的な対応が可能となるというメリットがあります。ただし、電子公告を利用する場合、法務大臣の登録を受けた調査機関の調査を受けることが義務付けられました(商法457条)。
 もっとも、電子公告を採用しても、すべての公告が電子公告に置き換わるのではなく、債権者保護手続のための公告などは引き続き官報に掲載しなくてはなりません。
 なお、(1)合併、(2)減資、(3)法定準備金減少、(4)吸収分割の場合の承継会社の債権者保護手続においては、官報公告に加えて日刊新聞紙による公告又は電子公告をも行った場合には、債権者に対する個別の催告は不要とされました(商法412条、376条、374条の20)。また、(5)会社分割の分割会社が行う債権者保護手続として、官報公告に加えて日刊新聞紙による公告又は電子公告を行った場合には、不法行為によって生じた債権を有する債権者を除き、個別催告は不要とされました(商法374条の4、374条の20)。

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