御器谷法律事務所

相続Q&A

Q4.遺言遺留分(いりゅうぶん)、遺言の無効とは?
父が、先日亡くなりましたが、遺産はすべて姉に譲るとの自筆の遺言を残していました。父の家族は母と姉と妹です。妹の私も生活が苦しく、少しでも遺産を分けてほしいと思っています。私はこの遺言を争うことが出来るのでしょうか。

A. 回答

1. 遺言の無効
 まず遺言書の効力を争うことが考えられます。
 遺言書の中でも、当人が自筆で書いた自筆証書遺言はその解釈や効力について疑義が生じる場合が数多く見られます。

(1) 遺言が方式に違反する場合
 遺言は遺言者に慎重に意思を表示させて、他人の偽造、変造を防止するために遺言の方式は厳格に法律で定められており、方式に違反すると無効となります。
 自筆証書遺言の場合は、その全文を遺言者が書かなければなりませんので、お父さんの自筆によらない遺言書は無効になります。
 筆跡鑑定を行ってお父さんの筆跡かどうか確認するのも一つの方法であると考えられます。
(2) 遺言能力のない場合
 遺言は、その作成時点で意思能力(遺言者に是非善悪の判断をするだけの能力)及び遺言能力(遺言者に遺言がどのような意味をもち、どのような法律効果を生ずるかを理解する能力)が必要となります。この能力が欠ければ遺言は無効となります。
 そこで、お父さんが遺言書を書いた時点で老人性痴呆症等で物事の意味を判断することができないなどの事情があった場合には少なくとも遺言能力はなかったものと考えられますので、遺言が無効となる場合があるでしょう。
(3) 争い方
 あなたは、遺言の無効を遺産分割協議の中で主張したうえで、法定相続分に従った遺産を分割してもらえばよいのです。しかし、お姉さんが遺言書を有効であると主張して譲らないときは協議は成立しませんので、お姉さんを相手に遺言無効確認の訴えを提起し、裁判所にこの点を判断してもらってから遺産分割協議をすればよいと考えられます。
 また、無効とまでは言い切れない場合においては、実務上遺産分割の調停を家庭裁判所に申し立てて話し合うという手段も行われています。もっとも、この調停においてもお姉さんが遺言を有効であると主張して譲らなければ、地方裁判所に遺言無効確認の訴えを提起することが必要になります。

2. 遺留分減殺(いりゅうぶんげんさい)
 遺言が有効な場合には、あなたは、お父さんの遺産についてその 8分の 1について遺留分がありますので、遺留分減殺請求を行うことが考えられます。
 その方法ですが、お姉さんを相手に遺留分減殺請求権を行使するという意思を表示すればよいのです。裁判外で書面でも口頭でもかまいません。もっとも、争いとなることを避けるため、配達証明付きの内容証明郵便によるべきでしょう。
 しかし、裁判外で遺留分減殺請求をしただけでは解決しないことが通常ですので、家庭裁判所に調停を申し立てるか、地方裁判所に遺留分減殺請求訴訟を提起することになるでしょう。
 なお、遺留分減殺請求権は遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から 1年、または相続開始の時から10年行わないときは時効で消滅するとされておりますので、注意する必要があります。

 この相続につきましても、遠慮なく当事務所にご相談下さい

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