契約 - 借地非訟(しゃくちひしょう)手続
1. 借地非訟手続とは、
土地の賃貸借契約において、借地条件の変更等の問題が生じたときに、これらに関する紛争を予防して、将来に向って契約当事者の利害得失を調整し、裁判所が賃貸人の承諾に代わる許可を与える等の裁判手続と、説明されることがあります。
この借地非訟事件の対象は、借地借家法「第二部借地」の「第二節借地条件の変更等」(第17条〜第21条)、旧借地法では第8条ノ2〜第9条ノ3に規定されています。
また、借地非訟事件の手続は、借地借家法「第四章借地条件の変更等の裁判手続」(第41条〜第54条)、旧借地法では第14条ノ2〜第14条ノ15に規定されています。
2. 借地非訟事件とされるケース
借地借家法は、借地非訟事件とされるケースを次のとおり定めています。
(1) 借地条件の変更の申立−第17条1項
(2) 増改築の許可の申立−第17条2項
(3) 借地契約更新後の建物再築造の申立−第18条1項
(4) 借地権の譲渡、転貸の許可の申立−第19条1項
(5) 上記(4)の場合に、借地権設定者(賃貸人)がする建物・借地権の譲受、転貸の許可の申立−第19条3項(建物等優先譲受権又は介入権とも言います)
(6) 建物の競売・公売の場合の、借地権の譲渡の許可の申立−第20条1項
(7) 上記(6)の場合に、借地権設定者(賃貸人)がする建物・借地権の譲受の許可の申立−第20条2項
3. 具体的審理手続
借地非訟手続では、争訟性が強いため二当事者対立構造がとられつつ、第19条5項を除き申立の取下げは可能とされ、一般公開はしないものの(非訟事件手続法13条)当事者には公開(53条、45条2項)とされています。
(1) 管轄−原則として借地権の目的である土地の所在地を管轄する地方裁判所(第41条)
(2) 審問期日−裁判所は、審問期日を開き、当事者の陳述を聴かなければならないとされています(第45条)
(3) 証拠調べ−裁判所は、職権で事実を探知し(職権探知主義)、職権又は申出により必要と認める証拠調べをしなければならないとされています(第46条)
なお、鑑定委員会の意見を聴取しなければならない場合があります。
(4) 裁判−却下決定、棄却決定、認容決定があります。
(5) 不服申立て−借地非訟の裁判に対しては、告知を受けた日から2週間以内に即時抗告をすることができます(第48条)
4. 借地権設定者(賃貸人)の建物等優先譲受権(借地借家法第19条3項)の「相当の対価」はどのように定められるのか?
一般的には、建物の価格に借地権価格を合算し、そこから譲渡承諾料相当額を差し引いた価額を基準として決せられることが多いようです。
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