独禁法−テリトリー制
1. テリトリー制とは、
一般的には、メーカーがその商品の販売業者に対してその販売地域を制限する制度のことをいいます。
独禁法上このテリトリー制が取引の相手方の事業活動を拘束する面を有することから、これが不公正な取引方法の一般指定第13項の「拘束条件付取引」に該当するか否かが問題となります。
2. 流通・取引慣行ガイドライン
このテリトリー制については、公取委の「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」の「流通業者の販売地域に関する制限」において詳しく解説されています。
(1) 責任地域制−メーカーが流通業者に対して、一定の地域を主たる責任地域として定め、当該地域において積極的な販売活動を行うことを義務付けること
↓
原則として違法とはならない
(2) 販売拠点制−メーカーが流通業者に対して、店舗等の販売拠点の設置場所を一定地域内に限定したり、販売拠点の設置場所を指定すること
↓
原則として違法とはならない
(3) 厳格な地域制限−メーカーが流通業者に対して、一定の地域を割り当て、地域外での販売を制限すること
○市場における有力なメーカーが行ない
(シェア10%以上、又は上位3位以内が一応の目安)
○
商品の価格が維持されるおそれがあれば、
↓
拘束条件付取引として違法
(4) 地域外顧客への販売制限−メーカーが流通業者に対して、一定の地域を割り当て、地域外の顧客からの求めに応じた販売を制限すること
|
商品の価格が維持されるおそれがあれば、
↓
拘束条件付取引として違法
3. 「商品の価格が維持されるおそれ」とは、
流通・取引慣行ガイドラインは次のように述べています。
「例えば、
市場が寡占的であったり、ブランドごとの
製品差別化が進んでいて、
ブランド間競争が十分に機能しにくい状況の下で、市場における
有力なメーカーによって
厳格な地域制限が行われると、当該ブランドの商品をめぐる
価格競争が阻害され、当該商品の
価格が維持されるおそれが生じることとなる。」
4. クローズド・テリトリー制
「厳格な地域制限」と「地域外顧客への販売制限」をクローズド・テリトリー制と呼ぶこともあります。
このクローズド・テリトリー制の場合には、取引先の制限と同一の効果を生じ、ブランド内競争を消滅させ、事実上の一店一帳合制と同一の評価となるとの指摘があります。
5. 実例
富士フィルムX線フィルム事件:公取委昭和56年5月11日勧告審決
医療用エックス線フィルムの国内シェアの53%を供給する富士写真フィルム鰍フ販売業者である富士エックスレイ(株)は、その取引先に対し、販売地域及び販売価格を拘束する条件をつけて取引していたものとして、違法な地域制限及び再販売価格維持行為と認定された。
この
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